All in the Next ChapterBACK NUMBER

柳田悠岐と比較しても…トレーナーも驚く松田宣浩の“走る”力 プロ16年目、新たに強化したのは「目」 

text by

田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

PROFILE

photograph byNanae Suzuki

posted2021/01/26 17:02

柳田悠岐と比較しても…トレーナーも驚く松田宣浩の“走る”力 プロ16年目、新たに強化したのは「目」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

プロ16年目を迎える松田宣浩。さらなるパワーアップを目指し、来季へ備えている

「徹底的に追い込んで、限界に挑戦しながら鍛え上げられるのは1月の今の時期だけ」

 毎年のようにそう語る松田は、新シーズンでプロ16年目を迎える。大ベテランの域に突入した。それでも練習量はまだ増えているという。

「例年、自主トレをしているグアムではトレーニングすることできなかったけれど、宮崎で十分なくらい走り込み、身体を追い込むことができた。充実していましたよ」

 宮崎自主トレの地を後にする際には、清々しい表情でトレーナーたちにそう語った。

 自主トレ地の近くにある100段の階段ダッシュをトレーニングメニューに入れ、1週間でその険しき階段を25本もダッシュで駆け上がり、己と向き合った。自主トレを共にしてきた9歳年下の牧原大成も、「松田さんは今でも僕ら20代と同じ練習量をこなす。あの年齢で……僕らがあの年齢になったら松田さんと同じことをできるかというと考えられない」と話した。第一線で活躍している若手たちが口を揃えるのだから、松田宣浩の練習量には舌を巻く。

松田が取り入れた「目」のトレーニング

 今年の自主トレで松田が積極的に取り入れたのが「目」のトレーニングだ。肉体的な衰えは感じなくとも、どうしても衰えてくる感覚、特に「目」の変化が大きいと考えていた。前出の下山氏は語る。

「松田さんから目を鍛えたいとリクエストがあり、ビジョントレーニングを毎日行いました。VIMA REVと呼ばれ、特殊なサングラスをかけ、レンズにストロボが点滅することにより見えづらさが目と脳を活性化し、眼筋を鍛えるトレーニング。さらにSupreme Visionという動体視力を鍛え、視機能を向上させるトレーニングも並行して行いました。2月からの宮崎のキャンプ地にもこれらの機材を持ち込んで継続的にビジョントレーニングを行う予定です」

 さらに今年は食に対する意識も徹底的に変えた。これまではどちらかというと食べたいものを食べていたというが、パフォーマンス向上を食事面からもアプローチすると決め、筋量を維持し続ける為に炭水化物は摂らず、タンパク質を摂り、無駄なものは一切口にしなかった。

BACK 1 2 3 NEXT
松田宣浩
福岡ソフトバンクホークス

プロ野球の前後の記事

ページトップ