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佐藤寿人「今だけ良くてもダメ」、曽ケ端準「ミスをしたときこそ…」Jを去る男たちが悩み、考えていたこと
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byJ.LEAGUE
posted2021/01/18 17:00
2012年、リーグ初優勝を決めたセレッソ大阪戦でもゴールを奪った佐藤寿人
<名言3>
なぜ聞きに来てくれなかったのか。ミスをしたときこそ、聞きに来てほしい。
(曽ケ端準/NumberWeb 2020年12月24日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/846413
常勝軍団・鹿島アントラーズのゴールマウスを守り続けてきた曽ケ端。23年間で掴んだタイトルの数は「17」。史上初の3冠、3連覇、クラブ悲願のアジア制覇……アントラーズの栄光は、曽ケ端とともに築かれてきたといっても過言ではない。
Jリーグ初出場はプロ2年目。同期の小笠原満男、中田浩二、本山雅志が先に出番を得るなか、デビュー戦で完封勝利を挙げている。そこから日本代表にも選出されるなど順調に階段を登り、鹿島でも不動の守護神として活躍。17年の韓国代表クォン・スンテ加入以降、ベンチを温める機会も増えたが、再びポジションを奪い返すなど、後輩たちにもその背中で刺激を与え続けた。
“それでも聞くのがプロの仕事でしょう”
そんな曽ケ端の凄みを表すエピソードがある。自身のミスで敗れた試合後のミックスゾーンでのこと。たった一度のミスが失点に直結するポジションであるGKなのだから、重圧から下を向いてもおかしくはないが、それでも曽ケ端は“いつもと変わらず聞いてほしい”と質問を求めたのだ。
「これまで何度もミスをして失点したことはある。でも、取材する人には優勝したり、勝ったときと同じように話を聞きに来てほしい」
話を聞く側も人間。ミスをしたあとであれば、やっぱりどこか聞きにくい。“それでも聞くのがプロの仕事でしょう”。そんなメッセージとして受け取った記者は少なくないという。
常に勝利を求められる鹿島で育った「プロ」としての自覚。日本でもっともタイトルを獲った男から学ぶことは多かった。