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【自主トレ】ダル&田中&藤浪のコラボや福島千里に弟子入り、バレエ挑戦に生肉で胃袋強化…謎練習の意図は?
posted2021/01/15 11:02
text by
間淳Jun Aida
photograph by
JIJI PRESS
シーズン開幕に向けたプロ野球選手の自主トレ。2021年は新型コロナウイルス禍で通常と違う状況となっているが、その過ごし方は例年、選手によって様々だ。国内の温暖な地へ、気分を変えて海外へ、所属チームの施設で。1人で黙々と体を動かす選手もいれば、合同でトレーニングする選手もいる。
テーマも長打力や確実性を上げるための肉体や打撃フォーム改造、新しい球種の習得など多岐にわたる。
複数の選手が一緒にトレーニングする合同自主トレでは、普段は別のユニフォームを着るビッグネームの“コラボ”が大きな話題となる。
岩隈はスプリットを若手に伝授した
2016年には当時レンジャーズのダルビッシュ有と、ヤンキースの田中将大のトレーニングに阪神の藤浪晋太朗も参加した。また、ダルビッシュや田中、岩隈久志のように実績があり、決め球の変化球を持つ投手に対して、若手は弟子入りを志願する。そして多くの場合、エースと呼ばれる投手は包み隠さずにコツを伝授する。
例えば、スプリットを自在に操った岩隈は「ボールをしっかり挟むのではなく、人差し指と中指をボールの縫い目に合わせて握る」、「ボールを落とそうとはせずに、低めにストレートを投げるような意識。そうすれば自然と落ちる」とキャリアの浅い若手や、生き残りをかける後輩らに伝家の宝刀を惜しみなく教えていた。
鉄平は福島千里の“門下生”に
別の競技のアスリートと一緒にトレーニングすることで、打撃や投球、守備や走塁のヒントを得ようとする選手もいる。現役時代、首位打者にも輝き、現在は楽天の一軍打撃コーチを務める鉄平は2011年オフ、陸上女子短距離のエースだった福島千里の"門下生"となった。
福島は100メートルと200メートルの日本記録保持者で、2008年の北京から3大会連続でオリンピックに出場。当時、トレーニングに使用していたのが「レッドコード」と呼ばれる赤いロープだった。