マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
【かなり早めのドラ1予想】投手編・最注目ベスト5 「則本以上の逸材も?」“高校生投手”が3人もランクイン
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph bySankei Shimbun
posted2021/01/14 17:03
2021年のドラフト目玉になりそうなピッチャー・関戸康介(大阪桐蔭・178cm81kg・右投右打)
(5)「こんな投手がいたんだ」廣畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ)
昨年の「都市対抗野球」は、11月の末、もう寒くなり始めた頃に行なわれた。延期になった「東京五輪」用のスケジュールだ。
そこで、初めて見た投手に驚いた。廣畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ・177cm76kg・右投右打・帝京大)は「知らない投手」だった。
「MAX154キロ」という前評判だったので、エイヤー!の力任せタイプなのかと思ったら、とんでもない、とんでもない。「緩急」と「強弱」を駆使して、打者のタイミングを外しながら投げられる……つまり、「ピッチングのできるヤツ」だった。
例年のような大応援団や大音響はなくても、都市対抗は社会人野球最高の大舞台。ベテラン投手でも、先発直前には嘔吐するとも聞く緊張のマウンドで、立ち上がりから150キロ前後をストライクゾーンに配して、スライダー、カットボールでバットの芯を外し、チェンジアップ、フォークで打者のタイミングを外す。
もう何年も、社会人の第一線でエースを張ってきたような落ち着きの中に、一方で、いかにもルーキーらしいイキの良さもにじませて、「こんな投手がいたんだ……」と驚くばかりだった。
アマチュア野球を取材のホームグラウンドとしておきながら、投手・廣畑敦也の「帝京大当時」を知らなかった不勉強さを、内心とても恥じた。
そのことが、今年、これから始まる取材活動の「バネ」になった。知っているようで、まだまだ知らないことは多く、勉強することはいくらでもある。
そのモチベーションで、自らの尻を自ら引っぱたいて、今年も本物の「情報」を発信していきたい。
(【続き・打者編】<かなり早めのドラ1予想>打者編・最注目ベスト5 「高校生捕手でドラ1候補?」「“福留になれる”外野手とは」 を読む)