（4）大学生投手の注目株は椋木蓮（東北福祉大）

　大学球界なら、徳山壮磨（早稲田大学・183cm75kg・右投右打・大阪桐蔭）、竹田祐（明治大学・183cm84kg・右投右打・履正社）に、左腕で佐藤隼輔（筑波大学・182cm83kg・左投左打・仙台）……誰もが「この投手！」と推す快腕たちがいるが、私は、椋木蓮（東北福祉大・180cm79kg・右投右打・山口高川学園）の「ストレートの質」で勝負したい。

東北福祉大の新4年ピッチャーたち。（左から）椋木蓮、三浦瑞樹、綱脇慧　©Sankei Shimbun

　この右腕、スリークォーターの独特な角度から、しなやかな腕の振りで投げ込んでくる。捕手が構えるミットに指先が触っているように見える球持ちの良さ。バッテリー間18.44mが短く見える。

　右打者の内角に食い込む速球は、シュート回転のようなねじ込んでくる球筋。一方で、外へは逃げるような放射線状の球道。その両方のラインをしっかり身につけて、投げ損じがほとんど見られない高精度な指先感覚。投球の80％近くを構えたミットに決められるコントロールは、プロでも一級品だ。

　ここまで、肩やヒジを痛めることが多く、本当の「正体」はまだ見せていない。今季は春から秋にかけて、ひとシーズンずっと元気で腕を振る姿を見せてほしい。昨年秋のリーグ戦で153キロをマークしたと聞くが、この投手の真髄は「数字」じゃない、「質」だ。

　145キロ前後でも、手も足も出ない速球を両サイドにきめるピッチングを、全国の舞台で見たい。

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