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「自分のスケート人生の中で、今がいちばん」引退を撤回した新田谷凜が得た充実感と悔しさ
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2021/01/10 11:01
全日本選手権8度目の出場で初となる最終グループで演技した新田谷
「スケートが好きなんだな、と思いました」
後押しを受け、「去年より頑張れる。もう1シーズンやろう」と思った。
現役続行を決意した。
怪我が治り氷の上に戻ったときは、「もとの状態に戻せるかな?」と不安もあった。
でもそれ以上に、練習が楽しかった。何よりも感じたことがあった。
「初心に返る、じゃないですが、スケートが好きなんだな、と思いました」
迎えた新たなシーズンは、外れていた強化選手の指定を再び受けた。
昨年7月には、初めて全日本シニア合宿に参加することができた。そこではダンスなど表現の講座もあった。
「表現の練習は3年ぶりくらいに受けました。合宿のときくらいしかプログラムチェックがないと思うので、ジャッジさんからプログラムの仕上がりを確認してもらったり、レベル、スピンを確認してもらえるのはなかなかないのでそこが重要かなと思います」
自分を超えたい、その一心で日々取り組んだ
精一杯吸収しようと励んだ。
「去年の自分に勝つことが目標です」
自分を超えたい、その一心で日々取り組み、中部選手権、西日本選手権はそれぞれ3位になり、全日本選手権出場を決めた。
迎えた8度目の大舞台。ショートプログラムは国際スケート連盟公認の自己ベスト60.94点を、そして一昨年の全日本選手権の62.27点を大きく上回る67.16点をマーク。自己最高の5位になる。
初めて最終グループで臨むことになったフリー。
「緊張はありませんでした」と振り返ったが、ジャンプでミスが出た。
「ノーミスで、と思っていたのに、2つミスがあったのは悔しいです」