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「自分のスケート人生の中で、今がいちばん」引退を撤回した新田谷凜が得た充実感と悔しさ
posted2021/01/10 11:01
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
競技を続けるか、やめるか。
選手は誰しも、いつか、進退を考える時期を迎える。
簡単に結論は出せないし、一度決めても、気持ちが揺れることはある。計画通りに進めないことも少なくはない。
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そして、どのような決断を下すにしても、正解は選手それぞれだ。
フィギュアスケーター新田谷(にたや)凜もまた、競技生活に一度は終止符を打とうと考えた1人だ。
一転したのは昨年1月のこと
新田谷は早くから頭角を現し、2010年全日本ジュニア選手権などにも出場。14年のジュニアグランプリシリーズの大会では、エフゲニア・メドベデワに次ぐ2位に入ったこともある。
2016年には同学年の宇野昌磨らとともに、中京大学に入学した。
キャリアを重ねてきて、ほんとうは、大学を卒業する昨シーズンで引退するつもりだった。全日本選手権は自己最高の7位。ラストシーズンにふさわしい滑りを披露することができた。
一転したのは昨年1月のこと。インカレに向けて練習に打ち込んでいる中で足を骨折し、インカレそして最後の大会と決めていた愛知県選手権も出場がかなわなくなり、シーズンは不本意な形で終えざるを得なかった。
それは競技生活の最後を中途半端に締めくくることを意味していた。
時間ができたから、ゆっくり考えた。辞めてほんとうに後悔しないか、突き詰めて考えた。家族にも相談した。
「続けたければ頑張った方がいい」