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【FC東京ルヴァン制覇】1年前の敗因「選手層と勝負弱さ」払拭 アンカー森重真人の“利きぶり”が象徴的なワケ
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJIJI PRESS
posted2021/01/05 17:02
江坂任やオルンガら柏の強烈な個の力を、アンカーとして分断した森重真人。年越しでタイトルを得たFC東京を支える働きだった
「タイトルはお金と一緒だと思います。獲るまでは大変だが、獲ることによってまたタイトルが近寄ってくる」
長谷川監督は試合後、タイトル獲得に関してこんな持論を披露した。実際、指揮官がかつて率いたガンバ大阪もナビスコカップ(当時)優勝を皮切りに、リーグ優勝、2度の天皇杯制覇と、タイトルを次々と手中に収めた。
“タイトル翌シーズン”のFC東京、2021年こそ……
この日の対戦相手である柏も、ネルシーニョ監督が以前指揮を執っていた時代にリーグ、ナビスコカップ、天皇杯で次々と優勝し、多摩川の向こう側のライバルも、17年の初タイトルをきっかけに、ここまで4年連続してタイトルを手に入れている。
では、FC東京の場合はどうか――。
04年のナビスコカップ初優勝も、09年の2度目のナビスコカップ制覇も、11年度の天皇杯での戴冠も単発に終わってしまった。
このタイトルに満足せず、まだまだハングリーでいられるか?
次々にタイトルを引き寄せるだけの握力が備わっているか?
「これが東京にとってのスタート。優勝すると、また優勝したいと思うし、優勝した瞬間は今でも忘れられないので、すぐにでもまたタイトルを獲りたいという気持ちです」
試合後、キャプテンの東は、力強く言った。
ケンタ・トーキョーの真価が問われるのは、ここからだ。