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「“タレント”ではなく“元なでしこ”で」37歳丸山桂里奈が肩書にこだわる理由…あの“劇的ゴール”から9年
posted2020/12/30 17:05
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph by
Hideki Sugiyama
元なでしこジャパンFWで、2度のワールドカップと3度の五輪に出場した丸山桂里奈さん(37歳)。16年の現役引退後は、持ち前の明るさと過去の恋愛経験なども包み隠さず告白するなどの“ぶっちゃけキャラ”としてブレイクし、いまではバラエティ番組に引っ張りだこの活躍ぶりだ。
そんな彼女を一躍、全国区の人気者にしたキッカケが、なでしこジャパンが優勝した2011年のドイツW杯。丸山さんは主にスーパーサブとして起用され、圧倒的不利が予想された地元ドイツとの準々決勝で見事な決勝ゴールを挙げた。
あれからまもなく10年が経とうとしている。活躍の場をテレビやラジオに移した彼女のある“こだわり”とは――。(全3回の3回目/#1、#2へ)
「私って、あんまり大きな声では言えないですけど、賛否の“否”が多いんです。選手時代から何かと叩かれることが多くて(苦笑)。もちろん叩かれるのは嫌いですよ。でも、ぶっちゃけキャラと言われても、自分ではそんな風に思ったことはないし、聞かれたことに対してできる限り答えているだけなんですけどね」
大勢の視聴者が見ている公共の電波で、よくも悪くも聞かれたことに素直な発言をしてしまう丸山さんがときに誤解されてしまうのはわからなくもない。ただ、バラエティ番組でどんなにおかしな発言をしようが、週刊誌のグラビアでお尻を出そうが、丸山さんは丸山さんなりにそのときに与えられた役目を必死に果たそうとしているだけなのだ。
「タレントではなく元なでしこジャパンでお願いします」
周囲にどう思われようと、心の奥底ではいつも女子サッカーの発展を願っている。だからこそ、仕事でメディアに出る際の肩書にはずっとこだわっている。
「人づてにですけど、サッカー関係者のなかにも私の発言や行動をよくないと思っている方がいるというのは聞いたことがあります。私も長い間サッカー界でお世話になってきたので、そういう方々の気持ちはわかります。でも、私にも私なりの考えはあります」