「いまは直接サッカーと関係ない仕事をしていますが、私はこれまでもこの先もずっと“元なでしこジャパン”じゃないですか。確かになでしこジャパンは2011年のW杯で優勝しました。ただ、あれから来年でもう10年ですよ。なんとなくみなさんの記憶には優勝したというのはあるかもしれないけど、そこに誰がいて……とかって細かく覚えている人ってあんまりいないと思うんです。

　私的には、自分がテレビに出て元なでしこジャパンっていわれることで少しでも女子サッカーのことが話題になればという気持ちですし、それが恩返しになるかなって。だから、私はテレビなどに出るときに『肩書どうします？』って聞かれると『タレントではなく元なでしこジャパンでお願いします』って言い続けているんです。そこは私なりのこだわり。サッカーに恩返しする方法って、解説者や指導者になる人もいるけど、いろんな形があっていいじゃないですか。それが、個性でもあるし。私、サッカーをやめましたけど、もうサッカーと関係ないなんて思ったこと一度もないですよ。それだけは言わせてください！」

2008年の北京五輪、3位決定戦（対ドイツ）　©JMPA

出川さんってすごくないですか？

　何かと周囲がザワつくのは、丸山さんが人気者になった証かもしれない。公の場では、暗い表情などは見せない。だが、陰では自身の立ち位置やキャラクターについて悩んだりもした。そんなときに参考にしたのが出川（哲朗）さんのブレない姿勢だった。

「出川さんって昔は抱かれたくない男ナンバー1に選ばれたり、キモいとかって言われていたじゃないですか。それが、いまはすごい人気ですよね。でも出川さんに聞いたら『昔もいまも自分は何も変わってない』と言うんです。じゃあ、なんで世の中の人に受け入れられたかといえば、きっと出川さんが唯一無二の存在だからじゃないかと私は思っているんです。周りからどう思われても、自分らしさを貫くってすごくないですか。普通は周りからいろいろ言われたら、何か変えたくもなってしまうだろうし。それでもブレない出川さんって、やっぱりすごいですよ」

©Hideki Sugiyama

「男女の歴代日本代表で私が1位なんです」

　出川さんが唯一無二の存在ならば、丸山さんも現役時代はスーパーサブという立場を受け入れ、結果を出してきた選手だった。スーパーサブといえば、聞こえはいいが、サブはすなわち先発でないことを意味する。多くの選手は、そこに不満を抱き、不平を口にするものだ。

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