審判だけが知っているBACK NUMBER
<私が裁いた名勝負>奥くんのミドルがあの決勝点の場面の予行演習に。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
posted2021/01/04 07:00
吉田寿光さん。
語り継がれる名勝負をその演者のひとり、審判が振り返る。彼しか知らない新たな景色が見えてくる。
2003年 J1リーグ 2ndステージ最終節
横浜F・マリノス 2対1 ジュビロ磐田
11月29日/横浜国際総合競技場
4チームが優勝の可能性を残していた最終節の首位と3位の直接対決。引分けでもほぼ優勝が決まる磐田は、先制弾と相手の退場で優位に。だが後半、追いついた横浜FMが走力と粘りで終了間際に逆転。他会場では2位鹿島が同じく間際に同点とされ、得失点差で横浜FMが優勝した。
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私はJ1で338試合の主審を務めました。これは「鉄人」と言われた岡田正義さんよりも2試合多いんです。だから、自分こそ鉄人だと自負しているのですが(笑)、そんな私のキャリアの中でも、この試合が印象深いのは確かです。