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女子プロレス新時代を牽引する新星レスラー8選! 女優やアイドル出身、17歳で戴冠も
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2020/12/24 11:03
林下詩美はその知名度を上回る本物の実力で女子プロレスの新時代を築いていく
◎白川未奈
2018年、プロレスファンのグラビアアイドルが一念発起してリングへ。“闘魂Hカップグラドル”のキャッチフレーズを持ち、得意技の一つは尊敬する獣神サンダー・ライガーを意識したロメロ・スペシャルだ。趣味の筋トレは“実戦用”に内容を変え、柔術道場に通うと寝技も武器になった。今年、主戦場を東京女子プロレスからスターダムに移すと中野たむとのタッグでさっそく「圧が強い」存在感を発揮。たむ、ウナギ・サヤカと6人タッグ王座を奪取してみせた。最大の持ち味は間違いなく、グラビア界を「泥水すすって」生き抜いてきた度胸と根性だ。
◎鈴季すず(アイスリボン)
今年8月、長期政権を築いていた雪妃真矢を下しICE×∞のベルトを巻いた。17歳、デビュー1年半あまりでの戴冠は快挙。本人も10代としての注目度を活かして所属するアイスリボンを広めたいと考え、同い年の藤井聡太棋士を意識しているという。ブリッジの高いジャーマン・スープレックスだけでなく飛び技も得意とするオールラウンダー、なおかつ最大の魅力は自身を「顔芸レスラー」と言うほどの豊かな感情だ。曰く「鈴季すずのすべてを見てほしい」。笑って泣いて暴れて叫んで。何も隠さないからファンも感情移入できる。
◎アップアップガールズ(プロレス)(東京女子プロレス)
今やアイドル出身のレスラーは珍しくないが、彼女たちは2017年のオーディション時から“二刀流”、プロレスとアイドルの完全同時進行グループとして出発した。乃蒼ヒカリは「デスマッチ大好き」でレスラー志望だったが、渡辺未詩とらくは「アイドルになりたくて」プロレスに取り組んだ。そんな2人がプロレスの魅力に目覚める過程を見守るのもまたファンの喜びだった。結果、パワーファイターとして成長した未詩は辰巳リカとタッグ王者に。全員に共通する負けん気は姉妹グループ・アプガ(仮)譲りである。