「2人が合わせて」というところが重要になる

「シングルの時は自分自身が気持ち良いコースで、気持ちいい感じで、気持ち良い音の取り方で行けます。でもアイスダンスは『2人が合わせて』というところが重要になるので、そこは難しいですね」

　高橋はそう語りながらも、進化に手応えを感じている様子だった。

　またNHK杯で納得がいかなかったというリフトも入念に確認した。まず前半にあるコンビネーションリフトは、NHK杯ではレベル3とレベル4と高評価ではあったものの、さらなるブラッシュアップを図っていた。村元は言う。

「コンビネーションリフトの、最初のリフトから次のローテーショナルリフトに入る繋ぎの部分が、NHK杯での（メディアの）コメントで『ちょっと遅くて、失敗しているように見える』と言われたので、いかにスムースにローテーションに入るのかを確認しています。あとローテーションから私が出る時の出方も、どうやったらもう少し綺麗に見せられるのか、話し合いながらやっています」

普通なら1年がかりで習得するような技を……

　NHK杯では2つのリフトの間で、高橋がしっかりと両手で村元を抱えて落ち着いてからローテーションに入る演技だった。しかし公開練習では、高橋の肩に乗せた状態から一気にローテーションへと流れが繋がるように工夫。普通なら1年がかりで習得するような技を、早くも習得していた。

(C)Takao Fujita

　また村元がリフトから降りたあとも、NHK杯では軽くホップして次の滑りに入っていたが、演技を変更。降りたあと、村元がバレエのジャンプのようにフワッと跳ぶシーンを入れた。この小さな動作のお陰で、“レベルをきっちり取ろうとしている”という安全な雰囲気が消え、エレガントな見せ場としてのリフトに変化していた。

　さらに、演技後半にあるコレオリフトも進化していた。高橋の太ももの上で、村元が美しくポーズを決めるのだが、NHK杯ではキャッチでミスがあったと、高橋は言う。

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