荒川はビエルサに滝川二高のDVDと試合レポートを送った

「黒田さんの『鉄は熱いうちに打て』、『頭も体も柔らかい1年生を最も大事に育成は行わなければいけない』という言葉に惹かれて滝川二高に赴きました。黒田さんから私が学んだことはとてつもなく多くありました。黒田さんからサッカー論、選手を見る目、育成論、人生論等を吸収させてもらったことが、現在の私の指導者としての原型になったと感謝しています」（荒川）

2003年、選手権の兵庫県県予選で優勝したときの様子。黒田監督（帽子に髭）とメンバーで記念撮影。右端に荒川、下列中央左に岡崎 （提供：荒川友康氏）

　2003年に荒川はビエルサに滝川二高のDVDと試合レポートを送った。世界トップレベルの指導者に滝二サッカーを見てもらい、感想を聞き、その後の成長のヒントが欲しかったからだ。ある日、ビエルサは荒川に国際電話をし、「ゴールに向かっているシーンが多いのは良い」、「プレッシングのかけかたにチームの機能性が表れている」などのメッセージを伝えた。

岡崎はビエルサのチームでプレーする可能性があった

「黒田さんや選手にも伝えました。トップチームの選手に比べれば高校生なので決してレベルは高くはありませんが、マルセロの言葉でみなテンションが上がりモチベーションにもなったと思います」（荒川）

　岡崎慎司が後に、日本代表の主力になりドイツやイングランドで活躍することについては改めて説明するまでもないだろう。実はヨーロッパでも岡崎はビエルサのチームでプレーする可能性があったという。

　2019年2月、荒川がビエルサから招待されリーズを訪問した際、当時レスターに所属していた岡崎は車を飛ばし荒川のもとを訪れている。岡崎が荒川の教え子であり、リーズのレストランで荒川と岡崎一家が食事を共にしたという話を聞いたビエルサは、岡崎についてこう答えたという。

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