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【記録で回想】ラミレスは凄いが「クセも凄い」 四球嫌いと“ドラフト下位&脇役を抜擢”できたワケ

posted2020/12/15 11:03

 
【記録で回想】ラミレスは凄いが「クセも凄い」  四球嫌いと“ドラフト下位&脇役を抜擢”できたワケ<Number Web> photograph by JIJI PRESS/Shigeki Yamamoto/Hideki Sugiyama

ヤクルト、巨人、DeNAと渡り歩いたアレックス・ラミレス。選手と監督、それぞれでクセが凄かった

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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JIJI PRESS/Shigeki Yamamoto/Hideki Sugiyama

 アレックス・ラミレスは、日本のプロ野球の歴史でも特異な存在だ。MLB出身選手としては初めて2000本安打を記録したし、監督としても実績を残した。その一方で筆者の印象としては、極めて「クセの強い」野球人だったと言えよう。

 アレックス・ラミレスはイチローがMLBに移籍した2001年にヤクルトスワローズにやってきた。

 通算2017安打は外国人選手中1位、本塁打数380本はタフィー・ローズに次いで2位、1272打点も1位、首位打者1回、本塁打王2回、打点王4回、最多安打3回、MVP2回とタイトルをことごとく獲得してきた。ベストナインも4回選出されている。

 イチローは日本人MLB打者の通算記録をほぼすべて築き上げたが、入れ替わりにやってきたラミレスは外国人NPB打者の通算記録をほぼすべて塗り替えたのだ。

四球で歩くのが大嫌いで、勝負強い安打製造機

 そしてアレックス・ラミレスは頑健で「勝負強い安打製造機」だった。9年連続150安打以上はNPB記録。2003年から8年連続で100打点以上。これもNPB記録だ。わずか1744試合で2017安打1272打点も凄まじい数字だ。

 ラミレスは、球場のサイズもほぼ同じになり、日米の野球格差が縮まったとされる21世紀になってNPBにやってきた。これほどの打撃の持ち主であれば、MLBでも通用した可能性は高かったと思うのだが――実は打者ラミレスには、極めて強い「クセ」があった。

 それは「四球で歩くのが大嫌い」というものだ。

 四死球による出塁率をIsoD(Isolated Discipline)という。出塁率―打率で導き出せる選球眼を示す指標だ。

 2000本安打以上の53人の中でトップは.145の王貞治、次いで.117の清原和博だ。

 そして次ページに示しているのは、IsoDの低い方から数えた5人の顔ぶれだ。

【次ページ】 2012年には6月まで「四球ゼロ」だった

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