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【記録で回想】ラミレスは凄いが「クセも凄い」 四球嫌いと“ドラフト下位&脇役を抜擢”できたワケ 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byJIJI PRESS/Shigeki Yamamoto/Hideki Sugiyama

posted2020/12/15 11:03

【記録で回想】ラミレスは凄いが「クセも凄い」  四球嫌いと“ドラフト下位&脇役を抜擢”できたワケ<Number Web> photograph by JIJI PRESS/Shigeki Yamamoto/Hideki Sugiyama

ヤクルト、巨人、DeNAと渡り歩いたアレックス・ラミレス。選手と監督、それぞれでクセが凄かった

1.ラミレス .035
2.高木守道 .038
3.荒木雅博 .041
4.宮本慎也 .043
5.広瀬淑功 .044

 2位以下の打者は本塁打は少なく、リードオフマンやつなぐタイプの打者だ。長打の可能性が少ないので、投手は警戒せずに投げる。だから四球が少なくなるが、ラミレスはリーグ屈指の強打者だ。相手投手は一発を警戒したピッチングになる。それでもラミレスはお構いなしとばかりに、どんどん打っていったのだ。

2012年には6月まで「四球ゼロ」だった

 2012年と言えばラミレスが最後に3割を打ったシーズンだが、この年のラミレスは3月30日の開幕から6月13日まで51試合、四球を選ばなかった。6月14日の交流戦、オリックスの香月良太相手に四球で歩いたが、筆者は毎日の成績を見ながらいつまで四球ゼロが続くのかと思っていた。

 NPBでは四球が少ないことは「積極打法だ」として必ずしも非難されない。そして安打、本塁打で結果を出せば評価される。

 しかしセイバーメトリクスが普及し「打率よりも出塁率」が常識になっているMLBでは、出塁率が低い打者は評価が低い。

 ラミレスのMLB時代のIsoDは.034とこれも最低クラス。2000年にはインディアンスとパイレーツで9本塁打を打っているが、翌年契約するチームはなかった。

マニー・ラミレスとの大きな違いは出塁率

 ちなみにインディアンスではアレックス・ラミレスは同姓のマニー・ラミレスの控え外野手だったが、マニーの方は通算のIsoDが.099、最高出塁率を3回獲得。長打に加え、選球眼も抜群だった。マニーとアレックスのMLBでの将来を分けたのは「出塁率」だったのだ。

 NPBで少ない試合数で2000本安打を打つことができたのも、四球が少ないからではあった。

 2013年に2000本安打を達成して引退したラミレスは独立リーグ群馬で選手、オリックスでは巡回アドバイザーを経て2016年から横浜DeNAベイスターズの監督に就任する。

 監督としても、アレックス・ラミレスはかなり「クセが強かった」。

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