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「長谷部誠、引退か」報道に現地の旧知記者は“強烈な違和感” ウェブ翻訳ツールと実際のニュアンスの違いとは 

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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posted2020/12/10 11:03

「長谷部誠、引退か」報道に現地の旧知記者は“強烈な違和感” ウェブ翻訳ツールと実際のニュアンスの違いとは<Number Web> photograph by Getty Images

いまだブンデスの舞台で存在感を放つ長谷部誠。まだまだその健在ぶりを見ていたい

 ヒュッター監督は記者の質問に淀みなく、そして穏やかな口調で返答していました。それを踏まえたうえで、『denke ich mal』という文節に着目しました。この箇所はウェブ翻訳で訳されきっていない部分です。これを直訳すると、『自分はそう思う』という意味です。つまり、ヒュッター監督の話し方や佇まいから上記の言葉を日本語に訳すと、こんな感じになると思うんです。

「マコトは37歳。彼のサッカー選手のキャリアは夏に、ほぼ確実に終わりを迎える。僕はそう思うんだけどね」

 こう訳すと、かなりニュアンスが変わってきませんか? もちろん僕の意訳も実際には正確ではないとは思うのですが。

今回はあくまで指揮官個人の私見である

 ドイツ語に限らず日本語でもそうですが、言葉というのはその場の雰囲気や話者の性格、そのときの感情表現などで微妙に意味合いが変化するんですよね。その点を踏まえると、今回のヒュッター監督の長谷部への言及は明確な引退勧告や現役引退の事実を示したものではなく、あくまでも指揮官個人の私見を述べただけだと思われます。

 そもそも長谷部自身はまだ、来季以降の自らの道筋を表明していません(編集註:9日付の『ビルト』紙では、去就を決めていないとのコメントがあったと報道されている)。現時点で分かっているのは、アイントラハトと2021年6月末までの契約を締結しているという事実だけです。

J復帰、という可能性だってゼロではない

 ヒュッター監督の私見とは異なり、アイントラハトが長谷部に対して新たな契約更新を行うかもしれず、たとえアイントラハトとの契約が満了しても、長谷部自身が他クラブでのプレーを望むかもしれないわけです。

 彼のプロキャリアのスタートはJリーグの浦和レッズだったわけですから、母国の日本で現役生活を続ける可能性が無いなんて誰も明言できません。

 ちなみに長谷部は選手契約とは別に、アイントラハトとはブランドアンバサダーという職務にも就いており、こちらは今季を含めて3年間の契約を締結しています。

 今年5月の時期に実施した『Number』本誌での筆者とのインタビューで、長谷部は自身の将来についてこう述べています。

【次ページ】 「一番の望みはサッカーをプレーすること」

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