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マラドーナ死去25日前の熱弁がナポリに奇跡を呼ぶ 本拠地の超速改名、ガットゥーゾ親分と選手の優勝宣言
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2020/12/09 17:00
「サン・パオロ」から「ディエゴ・アルマンド・マラドーナ」に改名された本拠地は“神”への愛情を示すファンであふれている
60歳の記念インタビューで……
この世から去るわずか25日前、伊紙『コリエレ・デッロ・スポルト』に、マラドーナの60歳記念インタビューが掲載された。還暦祝いへの謝辞を述べた後、生前の神は「ナポリが優勝するところを早く見たい」と望みを伝えていた。
「私はいつもナポリを見守っている」
「親愛なるガットゥーゾよ。覚えておいてほしいことがある。
世の中には『俺はバルセロナでプレーしていた』とか『俺は元レアル』、『私はユベントスOB』とか言って威張りちらす奴らがいる。だが、私にとって何よりの誇りは、ナポリでプレーしたこと、ナポリの選手だったことだ。
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チームはおまえのものだ。思うままにやるがいい。
私はいつもナポリを見守っている」
マラドーナからここまで言われて、発奮しない人間がサッカー界にいるだろうか。冬の訪れとともに、弔いのシーズンは中盤戦に入る。
名は変わったが、スタジアムに残るアスファルトの染みや暗い照明設備に、神がプレーした頃の残り香は今も濃厚だ。
ナポリは全員一丸で、マラドーナの死に報いようとしている。
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