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マラドーナ死去25日前の熱弁がナポリに奇跡を呼ぶ 本拠地の超速改名、ガットゥーゾ親分と選手の優勝宣言 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2020/12/09 17:00

マラドーナ死去25日前の熱弁がナポリに奇跡を呼ぶ 本拠地の超速改名、ガットゥーゾ親分と選手の優勝宣言<Number Web> photograph by Getty Images

「サン・パオロ」から「ディエゴ・アルマンド・マラドーナ」に改名された本拠地は“神”への愛情を示すファンであふれている

「スクデット、獲りにいこうぜ!」

 4-2-3-1の指導にも、ますます熱がこもる。

 FWイルビング・ロサーノら攻撃陣にはビデオクリップを何本も見せながら理想の崩し方を教え込み、勝ち点を死守すべき展開では見苦しい戦い方も厭わない雑草精神を少しずつ浸透させている。そこに、偉大すぎるOBの死という発奮材料が加わった。

 訃報が意味するものを十分に咀嚼した上で、難敵に臨んだナポリはローマを圧倒した。結果的に4-0の快勝を遂げたあとのロッカールームで、先制FK弾を決めた主将インシーニェは声を上げた。

「スクデット、獲りにいこうぜ!」

 キャプテンの呼びかけに選手たちは応じた。全員の答えは一致した。

「偉大なディエゴの死を最高の形で弔うために、優勝を狙おう!!」

「あとは“俺たちは強い”という確信」

 覚悟の決まったナポリは、再び白と水色の縦縞ユニをまとった続く第10節クロトーネ戦でも4-0と連勝し、3位タイに浮上した。首位ミランとは6ポイント差だが、2位インテルとはわずか1ポイント差だ。

 ELでも10日のグループリーグ最終節でR・ソシエダに勝てばグループ首位突破、引き分けでも決勝トーナメント進出が決まる。

「あとは“俺たちは強い”という確信、それさえあればこのチームは本当にタイトルを狙える」

 在籍8年目を迎えた古株FWメルテンスは、3シーズン前のセリエAで“準優勝”したナポリを引き合いに出す。マウリツィオ・サッリ監督が率いた2017-18シーズンのチームは、クラブ史上最多となる勝点91をあげ、王者ユベントスを最後まで追い詰めた。

 それは、マラドーナが2度目のスクデットをもたらした1989-90シーズン以来、最も優勝に肉薄したチームだった。

【次ページ】 全員で“闘犬”の指導に食らいついて

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