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“ドラフト1位”たちのトライアウト詳報 由規、内竜也、藤岡貴裕、伊藤隼太…「まだ諦めるつもりはない」 

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photograph byHideki Sugiyama,Nanae Suzuki(in the article)

posted2020/12/07 18:00

“ドラフト1位”たちのトライアウト詳報 由規、内竜也、藤岡貴裕、伊藤隼太…「まだ諦めるつもりはない」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama,Nanae Suzuki(in the article)

球速は148km出ていたものの、フェルナンドにスタンドに運ばれた楽天・由規

「久々にバッターに投げたんで」

「久々にバッターに投げたんで、ストライクゾーンで勝負しよう」とフラッシュインタビューで明かした内は、12月という低い気温の条件ながら故障歴のある肩と肘に不安が出ず投げられたと手応えを明かしている。

 そして2012年ロッテのドラフト1位だった藤岡貴裕(巨人)は1人目の耀飛(楽天)を空振り三振に抑えると、2人目でここまで2安打を放っていた田代将太郎(ヤクルト)をセンターフライ、3人目の日暮矢麻人(ソフトバンク)を球威あるストレートで空振り三振と、こちらも鮮やかに無安打で抑えた。

 野手のドラフト1位勢で注目が集まったのは伊藤隼太(阪神)だ。

 慶應大時代には、世界大学野球選手権大会の日本代表で4番バッターを任されるなど、アマ時代の実績は十分。阪神でも期待は大きかったが、レギュラーをつかめず今季限りで戦力外となってトライアウト参加を決めた。

「まだ諦めるつもりはありません」

 伊藤隼にとって大学時代、慣れ親しんだ神宮の地でのトライアウト、午前の部では小熊凌祐(中日)にセカンドフライ、小澤怜史(ソフトバンク)には外角のボール球を振らされ三振に終わっていたが、午後の部の第1打席、田原誠次(巨人)の投じた初級をキッチリととらえると、大きな弧を描いた打球は右中間を真っ二つに破る。持ち味である長打力を発揮したツーベースでアピールした。

 かつてのドラ1がトライアウトに参加する――これまでにもそういったケースがあった。 

 例えば1994年の巨人1位の河原純一は2011年のトライアウトに参加した際「気持ちとしては『今後のためのトライアウトだ』と思って投げました。まだ諦めるつもりはありません。他球団からの連絡を待ちながら練習を続けていきます」と語っていた(翌年、独立リーグの愛媛マンダリンパイレーツへ入団した)。

 河原が9年前に口にした「諦めるつもりはありません」という言葉は、今回参加した“元ドラ1”達も同じ思いだろう。彼らに吉報は届くだろうか。

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