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チャンピオンズカップをチュウワウィザードが制す! 「砂の絶対王者」クリソベリル、“国内初敗戦”の原因は?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2020/12/07 11:50
4度目の直接対決で初めてクリソベリルを下した戸崎圭太騎乗のチュウワウィザード(右)
ちょうど前にいたクリソベリルをマークして
そのクリソベリルを徹底的にマークして結果を出したのが、戸崎が騎乗したチュウワウィザードだった。
「馬の状態は非常によくて、雰囲気もいいなという形で、あとはいろいろ先生(大久保調教師)とレースのプランを組み立てました。目標にしていたクリソベリルがちょうど前にいたのでマークして、手応えを見ながら進めました」
戸崎がそう振り返ったように、1コーナーで、クリソベリルがチュウワウィザードの外をかすめるように前に入ってきて、マークできる位置関係になった。2コーナーではやや離されかけたが、戸崎は手綱を押してチュウワウィザードを促し、向正面ではクリソベリルの2馬身ほど後ろにつけた。
3、4コーナーでも持ったままだったクリソベリルに対し、それを追いかけるチュウワウィザードの戸崎の手はずっと動いたままだった。
「チュウワウィザードも追ってしぶとい馬なので、こちらから外を回して仕掛けて行きました。馬の力で勝たせてもらいました」と戸崎。
先頭のエアアルマスとインティがほぼ並んだ状態で直線に入った。
ラスト200m、末脚を伸ばしたチュウワウィザード
クリソベリルはそれら2頭から2、3馬身遅れた3番手。その外から、チュウワウィザードが馬体を併せにかかる。
ラスト400m地点。チュウワウィザードはまだクリソベリルに並びかけることはできなかったが、じわじわ差を詰めて併せ馬の形に持ち込んだ。ラスト200m手前でクリソベリルを競り落とすと、そこからさらに末脚を伸ばし、逃げ込みをはかるインティを並ぶ間もなくかわして先頭でゴールを駆け抜けた。
2馬身半差の2着は追い込んできたゴールドドリーム、3着はインティだった。