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八村塁NBA2年目は嵐の幕開け? 電撃加入ウェストブルックから得る学びとプレイオフへの思い
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2020/12/05 11:01
オフシーズンで体重は5kgも増加。NBA新シーズンへ向け、着実に準備を進めている
結果よりも大事にしたこととは?
NBA選手にとって、どんなときでも適応力は大切な資質のひとつだが、コロナ禍の中では、さらに重要な力だ。いつもと違う環境や突然のスケジュール変更など、予想外のことにどれだけ対応する力があるかが試される。そんな、ベテラン選手でさえ苦労するようなシーズンを、八村はいきなり体験した。
そのなかでうまくできたこともあれば、苦労したこともあったが、結果より大事だったのは、まわりのベテラン選手のやり方を見て、新しい環境にどう適応したらいいのかを学び、これから続く長いキャリアの土台を築くことだった。
「最初のシーズンだったので、去年だとブラッド(ブラッドリー・ビール)とか、DB(ダービス・ベルターンズ)、イッシュ(スミス)といったベテランの選手たちがどういうふうにやっているかを見ながら、少しずつ、自分のルーティンを見つけるようにした。長いキャリアでシーズンを送るなかで、ルーティンを見つけていくという土台は大事じゃないかなと思います」
体調管理とメンタルの切り替え
ルーティンを見つけることで、予想外のことが起きたときや、変化が必要だと感じたときの修正もしやすくなる。
たとえばスケジュール。遠征をしながら週3〜4試合を戦うNBAのスケジュールは、大学の時と比べると倍近い忙しさだ。
「そのなかでも、僕が一番大事にしなくてはいけないなと感じたのは体調管理。試合を毎日のようにやるので。練習もある。その中でどれだけ自分の体のケアが大事かということもわかりました」
過密スケジュールに適応しなくてはいけなかったのは、身体的なことだけではなかった。試合が続くなかで、メンタル面でもうまくいかないからと落ち込んでいる時間はない。
「精神的にも、試合がどんどん入ってくるので、前の試合の、勝ち負けを考えている暇がない。そこをどれだけ早く切り替えて、次に進んでいくかというのがどれだけ大事かということがわかったので、今シーズンは最初からしっかり生かしていきたいなと思います」