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日本一4連覇のホークスを倒したければ…メジャーリーガーではなく「編成のスーパースター」を獲得せよ!
posted2020/12/07 06:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
どうやったら、4年連続で日本プロ野球(NPB)の王者になった福岡ソフトバンクホークスを止められるのだろうか?
選手の年俸総額がNPB最高のホークスとは「編成予算が違う」と諦めるわけにはいかないのがプロ野球というものだ。千葉ロッテマリーンズのように低予算でも健闘したチームはあるのだから「次は我々の番だ!」と思っている球団は多いだろう(と信じている)。
ただし、「こうしたら勝てる」という具体的な青図を描くのは難しい(簡単だったら、すでにホークスの連覇は止まっている)。
MLBの“スーパースター”を連れてくれば……
アナリスト=分析担当が日進月歩でベースボールを突き詰めているメジャーリーグ(MLB)では今季、低予算球団のレイズやマーリンズがプレーオフに進出しているが、NPBの球団に「レイズやマーリンズを見習え」というのはフェアではないだろう。なぜなら、NPBとMLBはアマチュアのトップ選手獲得=ドラフト、現役の選手の獲得=フリーエージェントといった手段が制度的にまったく違うし、レイズのように互いに利のある効果的なトレードを行える土壌もないので、同じような方法でチームを即効的に補強できる術はないに等しい。
ならば「埋もれたアマチュア選手を発掘し、うまく育成する」となるのだが、ホークスはパ・リーグ投手3冠を獲得したエースの千賀滉大投手や相棒の甲斐拓也捕手、千賀と並んで最多勝を獲得した石川柊太投手ら「育成枠」から主力に成長した若手選手も多く、低予算球団の「頼みの綱」であるスカウトや育成部門でも出し抜かれているように思える。
そこでたとえば、MLBの現役バリバリの“スーパースター”を連れてくれば、どうなるだろう? と思う。
と言っても、それは日本でも報道されたようにNPBに興味を持っている今季のナ・リーグ最優秀投手=サイ・ヤング賞投手、トレバー・バウアー投手(今季レッズ)のことではない。現地時間の11月17日にシカゴ・カブスの「編成トップ」を退任したばかりのセオ・エプスタイン氏のことだ。