SCORE CARDBACK NUMBER

不屈の精神で“至上の記録”に並んだハミルトンのV7。~歩んだF1の道のりと涙の理由~

posted2020/12/03 07:00

 
不屈の精神で“至上の記録”に並んだハミルトンのV7。~歩んだF1の道のりと涙の理由~<Number Web> photograph by Getty Images

V7を決めたハミルトンは暫く首を垂れたままだった。最多94勝に更新したこの1勝は特別な感慨をもたらした

text by

今宮雅子

今宮雅子Masako Imamiya

PROFILE

photograph by

Getty Images

 ゴールの後、パルクフェルメに停めたマシンのなかでルイス・ハミルトンは動けずにいた。レース終盤、必死で抑えていた幼い頃からの思い出が、ゴールの瞬間に心を直撃し、突然、涙が溢れ出た。

「僕は強いはずだ。人前で涙は見せないと決めていた。でも、たくさんの思い出には抗えなかった」

 直後のインタビュー、子供たちに向けてエールを送ったのは、そんな心の流れがあったからかもしれない。

「夢を諦めないで。周りの人たちが“そんなの不可能だよ”と言っても、絶対に聞き入れちゃ駄目だ」

 2011年以来のF1を迎えたイスタンブールパークは、第12戦ポルトガルGPをはるかに超える困難に満ちていた。急遽決まったグランプリ開催。サーキット側が良かれと思って行った新舗装は新しすぎて、表面にオイルが浮く。11月の気温は低くタイヤが作動温度に到達しないうえに、土曜~日曜は冷たい雨に見舞われた。ペースが遅いとタイヤが冷える。しかし少しアクセルを踏んだだけでスピンしてしまう……。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 487文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

#ルイス・ハミルトン
#メルセデスAMG
#ミハエル・シューマッハー

F1の前後の記事

ページトップ