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箱根駅伝出場者は就活に有利? 「選手と主務の序列は…」実業団チームから商社、消防士、YouTuberまで
 

text by

酒井政人

酒井政人Masato Sakai

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photograph byNanae Suzuki

posted2021/01/03 17:02

箱根駅伝出場者は就活に有利? 「選手と主務の序列は…」実業団チームから商社、消防士、YouTuberまで<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

新年の箱根路を駆ける学生ランナーたちは、その後も各々の道をひた走る

弁護士、公務員、YouTuber…箱根ランナーたちの道

 エリートという意味では、中大・梁瀬峰史も稀有な存在だ。仙台育英高時代は全国高校駅伝で3連覇を経験。箱根駅伝は1年時から3年連続で出場(1区、5区、4区)した。高校・大学ともスポーツ推薦だったが、2010年3月に中大法学部を卒業すると、中大ロー・スクールで3年間学んだ。2度目の挑戦となる2014年の司法試験をパスして、現在は弁護士として活躍している。

 学生ランナーのなかでは公務員の人気も高い。体育学部のある大学では教員免許を取得する選手も多いが、採用枠が少なく、教員になるのは非常に難しい。そのため、近年は警察官や消防士を目指す選手が増えているようだ。なお警視庁や大阪府警などは実業団駅伝に参加しており、“陸上枠”に近いかたちの採用もある。

 最近は選ぶ職業の幅も広くなった。今年3月に帝京大を卒業した田村丈哉はユニークな選択をしている。箱根駅伝は2年時に8区出場。1万mで28分台の記録を持つ実力者だったが、大学を卒業すると「ランニング×コメディ×YouTuberたむじょー」として活動。開始8か月でチャンネル登録者数4万人を突破するなど、人気ユーチューバーになりつつある。

 筆者も実は箱根駅伝出場組(東農大1年時に10区出場)だ。大学卒業後は3年半、住み込みの新聞配達をしながら、スポーツライターとしての道を模索。43歳となった現在は家族を養うぐらいの収入を確保できるようになった。

 どんな職業を選んだとしても、箱根駅伝を目指した者たちは、その過程で得た知力、体力、経験などを生かして大学卒業後も明るい未来を切り拓いてほしいと思う。

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