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シブコ級の笑顔と“OBの記憶がない”ほどの安定感 恩師が語る今季3勝ルーキー20歳古江彩佳の魅力
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byGetty Images
posted2020/11/26 06:00
パーセーブ率はツアー1位と抜群の安定感で今季3勝を挙げるルーキー古江彩佳。恩師も驚く快進撃を続けている
日本女子アマで起きた“事件”
振り返れば、昨年6月の日本女子アマチュア選手権では悔しい思いを経験している。最終組から出た最終日に、JGA幹部が運転するカートが、古江のキャディバッグを積んだカートを追い越そうとしてとぶつかり、3番ウッドが折れる“事件”が発生したのだ。
最終的に5位に甘んじ、優勝のチャンスがあった古江にとっては、悔しさをどこにぶつければいいのか分からないほどショッキングな出来事だったに違いない。しかし、そこから快進撃は続いた。
同級生・安田祐香に競り勝ったパー5
現在、レギュラーツアーでプレーする同級生の安田祐香とは元クラスメイトであり、同じゴルフ部出身。ナショナルチームでも切磋琢磨した仲だ。
角谷監督も「よく古江と安田は比較されるのですが、ライバルがいたからこそ、互いにプロになってツアーでも成長できている」と話す。そんな2人が出場した2016年の関西高校ゴルフ選手権大会でのワンシーンが、今も忘れられないという。
大会は高校1年ながら古江と安田がプレーオフ。試合は古江が優勝したが、“忘れられないシーン”というのは、パー5のロングホールでのプレーだ。
「2人がティショットを打ったあとの2打目を安田は2オンを狙いにいきました。一度はグリーンに乗ったのですが、ピンの奥にいきました。それを見た古江は慌てることなく、2打目をきちっと自分の得意なところへ刻みました。サードショットの勝負になり、安田は奥からは傾斜もあるため、慎重になって寄せきれずに3パットでパー。古江は3打目をピン側にきっちりとつけてバーディーを奪ったんです。2人の攻め方の特徴を物語る場面だと今も記憶しています。安田は一発を狙う気持ちの強さ、流れに乗る強さが持ち味ですが、古江はプロで優勝した試合でもコースマネジメントがうまく、きっちり狙ったところにつけていたと思います。冒険はしないですが、打ってはいけないところには打たない堅実なゴルフが真骨頂です」