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ソフトボール・上野由岐子が北京以来の五輪へ メッタ打ちにあっても「ブレずに」進む女王道
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKyodo News
posted2020/11/21 17:00
東京五輪に向けた新デザインのユニフォームに身を包んだ上野は、宇津木監督の言葉に呼応するかのように明るい笑顔を見せた
「元々、私の中での“道”は決して直線の一本道ではありません。大事なのはしっかり前に進むこと。備えていないわけではないけれど、備えているわけでもない。そっちに転べばそっちに向くし、あっちに転べばあっちに向く。どっちに転んでもしっかり対応できるように、自分自身が自分をコントロールしていく。一歩一歩、しっかり足の裏を地面につけ、ぶれずに進んでいきたい。そういう感覚です」
パリ五輪ではまた除外されると決まっている
ソフトボールが五輪で行われるのは、上野の活躍で日本が悲願の金メダルを獲得した08年の北京五輪以来となる。だが、東京五輪が終われば、次のパリ五輪ではまた除外されることが決まっている。ソフトボール界の願いはその後にまた正式種目へ返り咲くことだ。
東京五輪での金メダル獲得について尋ねられた上野は「使命感」ときっぱり言った。
「個人的な結果よりも、とにかくみんなの期待に応えたい、もう、ただそれだけです。金メダルの期待に応えるために、じゃあ自分は何ができるのか、何をしなければいけないのか、どうしたいのか。いろいろな思いの中で、自分を見失わないように、後悔のないように準備をして臨みたい。その結果、最後は勝利の女神が微笑んでくれることを祈っています」
東京五輪に向かって突き進む。金メダルを目指して邁進する。取り組む時間はつねに100パーセントでやるべきことにフォーカスする。何かがあったときに臨機応変に自分をコントロールしていく力も、女神の微笑みも、すべてそこから生まれることを上野は知っている。
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