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【記録で新人王予想】パ小深田大翔、セ森下暢仁が最有力も 戸郷翔征と見逃せない“大穴候補のドラ1”
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2020/11/18 11:02
1年目から2ケタ勝利を挙げた森下暢仁。カープにとって大きな希望となった
ロッテの藤原は来季ブレークの予感
昨年ドラ1の楽天、小深田は開幕からしばらくは代走と遊撃の守備固めだったが、7月4日に二塁手としてスタメン出場してからはリードオフマンとして起用されることが多くなる。8月に入ると不動の正遊撃手だった茂木栄五郎を三塁に回して「1番・遊撃手」が定位置となる。終わってみれば打率.288は鈴木大地に次いでチーム2番目、チーム1位の17盗塁を記録した。
打者では小深田が唯一の新人王候補と言えよう。
ロッテの藤原はチーム主力が新型コロナ禍で戦線離脱する中、一軍昇格して先頭打者本塁打を2発。今季すでに60打席以上に立っているので、来季の新人王資格はないが、大ブレークの期待がかかる。
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同じく和田康士朗は、育成枠から這い上がって足のスペシャリストとして名前を売った。ソフトバンク、周東佑京に次ぐ育成期待の星となった。
オリックスの大下も育成枠。9月15日に一軍に抜擢された試合で決勝本塁打を打った。地声が大きく、“ヤジ将軍”として鳴らす。今季は観客席での応援が自粛となっているため、大下のどら声が球場に響き渡っていた。
西武の平良はリーグ2位のホールド
〇投手陣 30イニング以上 投球回数順
中村稔弥(ロ)
16試2勝5敗0SV 0HD 64回40三振 率4.78
河野竜生(日)
12試3勝5敗0SV 0HD 60.1回43三振 率5.07
平良海馬(西)
54試1勝0敗1SV 33HD 53回62三振 率1.87
浜屋将太(西)
12試3勝3敗0SV 0HD 50.2回23三振 率4.97
張奕(オ)
13試2勝4敗0SV 0HD 48回46三振 率4.31
瀧中瞭太(楽)
8試2勝1敗0SV 0HD 45回29三振 率3.40
宮川哲(西)
49試2勝1敗0SV 13HD 44.2回45三振 率3.83
田村伊知郎(西)
31試0勝0敗0SV 0HD 41回27三振 率3.95
與座海人(西)
8試2勝4敗0SV 0HD 38回18三振 率5.45
泉圭輔(ソ)
40試0勝1敗0SV 8HD 34.2回28三振 率2.08
津留崎大成(楽)
33試1勝1敗0SV 1HD 34.1回24三振 率4.19
板東湧梧(ソ)
15試2勝2敗0SV 2HD 31.2回29三振 率2.56
目立った活躍をした投手は少なかった。
西武の3年目、平良海馬は160km/hの剛速球で売り出す。開幕から9イニング連続無安打に抑えるも次の試合で満塁ホームランを食らうという浮き沈みの激しい投球で話題となったが、終盤には絶対的なセットアッパーとなりリーグ2位の34ホールドポイントを挙げた。
オリックスの張奕は、昨年のプレミア12では台湾のエース格で大活躍。今季の期待がかかったが、先発として一本立ちするところまではいかず。
ソフトバンクの泉と板東も中継ぎで一時期活躍したが、新人王候補とまでは言えない。
パ・リーグは野手では楽天・小深田大翔、投手では西武・平良海馬が候補だろう。平良がホールドのタイトルを取っていれば有利だっただろうが、小深田が最有力。小深田は西武の源田壮亮よりも打撃成績がかなり上なので、新人でいきなり遊撃手のベストナインの可能性もあると思う。