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永里優季「お兄ちゃんが“代表の頃、まるで別人だった”と」 なでしこ辞退後に言われたこと 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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posted2020/11/05 11:01

永里優季「お兄ちゃんが“代表の頃、まるで別人だった”と」 なでしこ辞退後に言われたこと<Number Web> photograph by AFLO

はやぶさイレブンでの入団会見に立ち会った妹・亜紗乃(左)と兄・源気。その兄からは意外な言葉をかけられたという

本質はたぶん変わってないと思います

――ただ、それも代表から離れたからこそ分かったことですね。

「そうなんです。だから、難しいですよね」    

――2005年頃、なでしこジャパンの加藤與恵さんにインタビューしたとき、期待の選手として永里さんのことを挙げたんです。「身体は大きいし、パワーもあるし、将来凄いストライカーになると思う」と。「ただ、私が何か言うだけですぐ涙ぐんじゃう。メンタルが弱いのが弱点なんです」と言っていたのが印象に残っていて。でも、なでしこジャパンがW杯で優勝したり、オリンピックと次のW杯で準優勝した11~15年の間の永里さんは“強い人”という印象だった。おそらく今のパブリックイメージも、“はっきりとものを言う強い人”だと思います。でも、おそらく本当の永里さんは、加藤さんの言ったような人物で、メンタルの弱い自分を変えようとしてきたんじゃないですか?

「おっしゃるとおり、本質はたぶん変わってないと思います。今でも人前に出て話すのがあまり好きじゃないし、誰かに何かを言われたら、すぐシュンとなってしまうところがあって。そんな自分を出さず、演じられるようになったと思います、この十数年で」

自分の中で“FW像”を作っていた

――結果を求めるうえで、弱い自分を克服するために演じる必要があった? 

「ありますね。演じていた……たぶん自分の中で像を作って。代表のFWはこういう選手じゃなきゃいけない、というのを自分で作って、それを演じていた部分はありますね」

――孤高の人、という雰囲気がありましたもんね(笑)。

「本当はそうじゃないんですけどね(笑)。実は、お兄ちゃん(永里源気)にも言われたことがあって。私が代表だった頃、まるで別人のように見えていたって。最近、言われたんですけどね」

――当時そう思っていたと、最近言われた。

「はい。当時、そう感じていたそうです(笑)。だから、話しかけるのがちょっと怖かったって言われました」

【次ページ】 押し潰されそうな感覚で、ずっと

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