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【中日 ドラフト1位】「慶應大に落ちたらプロに」中京大中京・高橋宏斗のゴージャスすぎる“進路選択”を決めた試合
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph byKyodo News
posted2020/10/26 18:10
今夏の交流試合では、智弁学園戦に先発した高橋。九回にして、この日最速の153キロをマークするなど、無尽蔵のスタミナで149球を投げ切った
ドラゴンズの指名戦略は確かに変わった
高橋の「どうなる」問題が即日解消すると、次は各球団の「どうする」問題である。最初に手を挙げたのは地元の中日だ。プロ志望届が出そろった13日に、与田剛監督も出席したスカウト会議が開かれ、高橋の1位指名が内定した。
「高橋君は高校生の中だけではなく、大学生、社会人を含めてもトップクラスの評価だった。プロを志望するとわかった段階で、ドラゴンズの指名戦略は確かに変わりました。なんと言ってもこの1年間、負けていない。松坂(大輔)投手、田中(将大)投手と同じくらいのレベルと位置づけていますし、将来的には最多勝、沢村賞が取れるほどの才能豊かな選手だと思っています」
高橋の慶応進学を前提に、投手にしろ野手にしろ即戦力重視で戦略を練っていたが、6日以降に全てを白紙に戻し再検討した。その結果を米村明チーフスカウトは、最大級の賛辞で示した。正式公表はドラフト会議直前のようだが、他球団をにらんだ駆け引きやサプライズはなさそうだ。
競合の可能性は大いにあるが、根尾昂、石川昂弥に続き、ドラゴンズジュニア出身選手の3年連続1位指名となる。プロからの指名に漏れて進学する選手はたくさんいるが、高橋はその逆というレアケース。いずれはドラフト1位だと思えば、日本球界にとっては早い方がいい。