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鍵山優真にではなく「自分に勝つ」 伸びしろ満載の佐藤駿、計画的練習と無良崇人からの言葉
posted2020/10/25 17:01
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Asami Enomoto
変化の年だ。
フィギュアスケートの佐藤駿は、今季がシニアデビューのシーズンになる。
「日本でどれくらいの立ち位置かという実感がぜんぜんなく、まだシニアに上がったばかりなので、これからだと思います」
そんな意気込みとともに、シーズンを迎えた。
現在は高校2年生。ジュニアでは華々しい活躍を見せ、将来を嘱望される存在となった。
小塚崇彦、羽生結弦、宇野昌磨に続く4人目のこと
魅力は、なんといってもジャンプにある。
中学3年生のとき、4回転トウループを大会で何度も成功させ、注目を集めた。
高校1年になった昨シーズンはジュニアグランプリに初参戦。
1戦目で初出場初優勝するなどして進出したファイナルは圧巻だった。
ショートプログラムで3位につけると、フリーでは、国内の大会ではすでに成功していた高難度のジャンプ、4回転ルッツを国際スケート連盟(ISU)の公式戦で初めて成功させるなど計3本の4回転ジャンプを決める。パーフェクトな演技で1位になり、合計得点は255.11点、ジュニアの世界歴代最高得点をマークし優勝を果たしたのである。
日本男子としては小塚崇彦、羽生結弦、宇野昌磨に続く4人目のことだった。
「オリンピックが2年後にあるのでシニアに上がろうと思っています」
先を見越した計画とともに迎えたシニア1年目。新型コロナウイルスの影響で春先にリンクに上がれなかったり、予想していない出来事もあったが、シーズンは始まり、10月初旬、シニアデビューとなる関東選手権を迎えた。
ただ、ここでほろ苦さも味わった。
得意とするジャンプがうまく決まらず、2位という結果で終えた。