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「ナオミは気取らないセレブで最高のお手本」 シフィオンテク優勝と仲良し大坂の“イイ話”
posted2020/10/14 11:00
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Hiromasa Mano
「誰かをすごく応援しながらテニスの試合を見るのって大嫌い。どうして自分がボールを打ってるみたいに体がこわばるの? それ以上に、どうしてこんなに手に汗をかいているの???」
大坂なおみがSNSでそうつぶやいたのは、パリで全仏オープンの女子決勝が行なわれている時間だった。
まったく予想外のファイナリストとなった19歳のイガ・シュビオンテクが、大坂と頻繁にコンタクトをとる仲であることは最近よく知られていたから、「応援している」のがシュビオンテクであることは間違いなかった。
そして、祝福とうれし泣きの絵文字とハートマークをいくつもつけた「AHHHHHHHHHHHH!!!!」という叫びとともに、女子テニス界に新たなヒロインが誕生した。
ツアー中断中、大坂とのインタビューで
2人の意外な仲の良さを世間にも知らせたのは、ツアー中断中の5月のこと。大坂がステファノス・チチパスやガエル・モンフィスといったトッププレーヤーにインタビューするインスタライブの動画が話題になったが、その中で確か女子で唯一のインタビュー相手に選んだのがシュビオンテクだった。
「一番思い出深い試合は?」という大坂の質問に、「あなたとの試合」と照れながら答えている。
昨年8月のトロントでの初対戦のことだ。シュビオンテクは2回戦で元女王カロライン・ウォズニアッキを逆転で破り、大坂との3回戦に駒を進めてきた。結果は大坂が苦戦しながらも7-6、6-4で勝ったが、シュビオンテクはこう振り返った。
「いつも大きなスタジアムで試合をするときはすごく重圧を感じてまともにプレーできなかった。フレンチオープンの4回戦でシモナ(・ハレプ)とやったときも、1-6、0-6で負けちゃった。でもカロラインとの試合でやっとビッグスタジアムでの戦い方がわかったの。そのあと、私たちの試合は最初から最後まで楽しめた。負けたのにひどい気分にならなかったのは初めて。だってとってもいい試合ができたから」