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アンチェロッティとハメスの魔法でエバートン4連勝 “インザーギ的”点取り屋が覚醒か

posted2020/10/13 20:00

 
アンチェロッティとハメスの魔法でエバートン4連勝 “インザーギ的”点取り屋が覚醒か<Number Web> photograph by Getty Images

ハメス・ロドリゲスらが加わったエバートン。智将アンチェロッティのもとで“隣人”リバプールに一泡吹かせられるか

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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 開幕から約1カ月経ったヨーロッパ各国リーグ。各クラブの動向を網羅したNumber PLUS「欧州蹴球名鑑2020-21」が10月16日に発売されます。その名鑑に掲載されている注目クラブの記事をNumberWebで公開していきます!

 隣の芝生が青く見える──。

 一昨シーズンはヨーロッパのテッペンに立ち、昨シーズンはプレミアリーグを制した。ゲーゲンプレスは時代の最先端ともてはやされ、綿密な人選に基づく的確な補強は、世界中が模範とすべきクラブと高く評価されている。

「どいつもこいつもリバプールばかりチヤホヤしやがって」

 エバトニアン(エバートン・サポーターの呼称)は地団太を踏んでいる。

 だいたい、エバートンの方が歴史は古い。クラブ創設はリバプールより14年も早い1878年だ。エバトニアンからすれば、われこそがマージーサイドの本家となる。

「リバプールのヤツらめが“分家”の分際で……」

 はらわたが煮えくり返る。

アルテタ、ケーヒル、そしてルーニー

 栄光に彩られた歴史もある。トップリーグ優勝9回、FAカップは5回も制した。

  想い出に残るヒーローたちも、ウェールズ史上最高のGKといわれたネビル・サウソール、強さとスピード、高さを兼ね備えたCBのジョセフ・ヨボ、冷静沈着なキャプテンだったミケル・アルテタ、小さなストロングヘッダーことティム・ケーヒルなどなど、枚挙に暇がない。

 また、あのウェイン・ルーニーの古巣であり、彼が憧れた屈強のFWダンカン・マッケンジーは、昨シーズンの中盤戦からコーチとしてベンチからにらみを利かせている。

 しかし、過去を振り返るだけでは意味がない。フットボールは現在進行形であり、年ごとに長足の進歩を遂げる特異なスポーツだ。その昔はゲーゲンプレスもポゼッションも異端だった。この波に、エバートンは乗り遅れた。

 可もなく不可もないシーズンが、長く長く続いている。1992年のプレミリーグ発足以降、一度も降格していないが、優勝争いにも加わっていない。FAカップ戴冠も1994-95シーズンが最後だ。

【次ページ】 クーマンやM・シウバらも結果を出せず

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