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「いかに頭を使って天賦の才に勝つか」ダルビッシュ有が語った近いようで遠い“真のトップ”との差 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2020/10/07 20:00

「いかに頭を使って天賦の才に勝つか」ダルビッシュ有が語った近いようで遠い“真のトップ”との差<Number Web> photograph by Getty Images

ダルビッシュ有が所属するシカゴ・カブスは10月2日、ワイルドカード・シリーズ(WCS)敗退が決まった

 近いようで遠いトップとの差。それは毎年のようにナ・リーグ中地区の優勝争いをしながらも、シーズン終盤になると得点力不足に悩んで失速するカブスとの姿とオーバーラップする。

 ダルビッシュはトップとの差について、「僕が何もせずに彼らと同じように勝負していても、一生相手にならない。いかに頭を使ってその天賦の才に勝つのか、どうやって近づくのか」と言った。

 もしかしたらカブスも、過去数年、ほとんど顔触れが変わらない現有戦力をただ維持するだけではプレーオフ進出が精一杯で、ナ・リーグ西地区8連覇のドジャースやブレーブスのように、プレーオフを勝ち進むことはできないのかも知れない。

まったく同じ選手たちでは……

 カブスのセオ・エプスタイン編成本部長はプレーオフ敗退の2日後、定例会見を開き、奇しくもこう言っている。

「まったく同じ選手たちで、より良い(攻撃の)結果を期待することはできません。ですから、これに取り組む最善の方法は、私たちが本当の転換期にあることを認めることだと思います」

 居心地のいい、安定した今を捨て去り、何かを失ったり、崩したりすることでしか見つからない、頂上への階段。

 ダルビッシュとカブスの「新しい挑戦」はすでに、始まっている――。

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