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108人クラスター発生の立正大淞南高サッカー部の今 誹謗中傷とカズ・長友・本田からの激励を経て 

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石倉利英

石倉利英Toshihide Ishikura

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photograph byToshihide Ishikura

posted2020/10/06 06:00

108人クラスター発生の立正大淞南高サッカー部の今 誹謗中傷とカズ・長友・本田からの激励を経て<Number Web> photograph by Toshihide Ishikura

地元のサッカー少年団からも励ましのエールが。感謝の気持ちを忘れずに、選手権予選へ挑む

「終わった、と思った」

 寮ではクラスター発生前から、文部科学省などの指針に沿って手洗いやうがい、換気などを徹底し、ドアノブやトイレなどの共有スペースは毎日、消毒していた。7月下旬から8月上旬の県外遠征は、サッカー部専用のバスによる日帰りが基本で、移動中も多くの人が利用するサービスエリアには立ち寄っていない。唯一宿泊した大阪府への遠征時も、一般の宿泊施設ではなく、関係者の施設を利用するなど、外部との接触をできるだけ避けていた。

「実際にこうなってしまった以上、どこかに落ち度があったのは間違いありません」と南監督は語り、感染者の数がどんどん増えていった当時を「終わった、と思った」と沈痛の面持ちで振り返る。批判や誹謗中傷は自身にも及んだが、そんなときに希望の光となったのが、次々に寄せられた激励だった。

 冒頭に挙げたようなサッカー界のレジェンドだけではない。各地の高校サッカー部がSNSに激励の動画を投稿し、学校には全国のサッカー関係者や卒業生、学校の地元住民から飲食物や感染予防グッズなど、多くの支援物資が届いた。現在でも残りの一部が校内の一角を占めるほどの莫大な数で、同校の上川慎二教頭は「本当にありがたい限りです」と感謝し、南監督も「皆さんの支援がなかったら、どうなっていたか分かりません」と語る。

寮生活の見直し、班ごとの行動に切り替え

 同校は9月7日から通常授業を再開。サッカー部の専用寮は、厚生労働省のクラスター対策班から食堂や浴室の脱衣所の問題などを指摘されたことを受け、感染対策を見直した。122人の寮生を6~7人ずつ18班に分け、登校・下校時も含めて班ごとに行動することを徹底。食事や入浴は時間割を決めて密にならないように実施し、掃除もこれまで以上に入念に行うなど、再発防止に取り組んでいる。

【次ページ】 感謝の気持ちを届ける方法は……

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