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108人クラスター発生の立正大淞南高サッカー部の今 誹謗中傷とカズ・長友・本田からの激励を経て
text by
石倉利英Toshihide Ishikura
photograph byToshihide Ishikura
posted2020/10/06 06:00
地元のサッカー少年団からも励ましのエールが。感謝の気持ちを忘れずに、選手権予選へ挑む
感謝の気持ちを届ける方法は……
生活環境が変化しても、日々の成長に向けて激しくボールを奪い合う練習風景は変わらない。今年度のキャプテン、DF山田和樹は「たくさんの方が、僕たちを信じてくれたことに感謝しています。それに応えるために結果を出したいです」と意気込む。高校サッカー最大のイベントである高校選手権の島根県予選は、10月23日に開幕。同校は5年連続19回目の出場を目指し、24日の2回戦から全国への戦いを始める。
批判や誹謗中傷だけでなく、人の優しさにも触れた2カ月間を振り返り、南監督は「自分自身も、生徒も、今回のことをこれから先に生かせる人間でなければいけないと考えています」と言葉に力を込める。全国から寄せられた支援は、発送元が分かっていればお礼ができるが、匿名のものも多い。『地元のおばあちゃんより』とだけ書かれ、現金が入った封筒が学校に届いたこともあったという。
立正大淞南のユニフォームカラーは、鮮やかな黄色。南監督は再スタートとなる選手権予選に向けて、選手たちに語りかけている。
「皆さんからの支援に直接お礼を言うことはできないけれど、感謝の気持ちを届ける方法が、1つだけある。元気な姿を、躍動している黄色のユニフォームを見せることだ」
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