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来季ドラフトの目玉・市立和歌山の小園健太がもう気になる スカウト談「奥川君にかぶる」
posted2020/10/02 17:50
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Noriko Yonemushi
今年のドラフト会議も終わっていないうちから少し気の早い話だが、来年のドラフトの目玉になりそうな高校2年生がいる。市立和歌山高校のエース・小園健太である。
184cmの長身から勢いよく腕を振って投げ込むストレートは、この夏152キロを記録した。しかも小園本人は、ストレートよりもむしろカットボールやツーシームといった変化球に自信を持っている。
「まっすぐに対してのこだわりはあまりないです。まっすぐでファールを打たせて、最後は変化球で決めたいというのが自分の中にあります。カット系で空振りを取ったりして。カットボールは左打者のインサイドにも、右打者の外にも放れるので、結構自信を持っています。どのチームもまっすぐを張っていると思うので、チェンジアップ気味に変化するツーシームも有効だと感じています」
カットボールやツーシームは軌道がストレートとほぼ同じで、バッターの手元で変化するため効果的だ。
スカウトも驚き、早くも奥川2世の声も
今夏、スカウト陣の注目度が一気に上がった。和歌山独自大会3回戦の智弁和歌山戦では、2回から4イニングを投げ、3安打1失点に抑えた。試合には4-7で敗れたが、球威と気迫で強豪を押し込んだピッチングは強い印象を残した。
DeNAの安部建輝スカウトは「あれだけ腕を振れて、変化球もいい。本当に楽しみな選手」と語っていた。
広島の鞘師智也スカウトは、今年1月にブルペン投球を見て衝撃を受けたという。
「まっすぐも変化球もキレがある。変化球でもバッターを詰まらせられる。投げ方やシルエットが奥川(恭伸・ヤクルト)君とかぶります。十分、奥川2世になれる素材ではありますね」