甲子園の風BACK NUMBER
来季ドラフトの目玉・市立和歌山の小園健太がもう気になる スカウト談「奥川君にかぶる」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNoriko Yonemushi
posted2020/10/02 17:50
早くもスカウトから注目を集める高校2年生の小園健太。捕手・松川と書き合ったという帽子のメッセージを見せてくれた
9月の新人戦では勝利「特別な相手」
今年9月5日、和歌山の新人戦準決勝で、新チームになって初めて両者が対戦した。
市立和歌山は1年生右腕の米田天翼(つばさ)が先発して6回5安打2失点と好投。6回裏に市立和歌山が4点のリードを奪うと、7回表から小園がマウンドに上がった。
7回は守備のミスも絡んで1点を与えたが、8、9回は時に雄叫びをあげながら、迫力あるピッチングで4つの空振り三振を奪って締め、6-3で勝利した。
智弁和歌山とは今後も対戦が予想されるため、「一度ヒットを打ったピッチャーに対しては、バッターは次から楽になって打ちやすくなると思うので、今日は絶対に相手にいいスイングをさせない、絶対に抑えるという気持ちでマウンドに上がりました。自分は気持ちを前面に出すスタイルなんで、特に9回はいつも以上に気持ちを前に出して投げました」と小園は振り返った。
小園が入学してから、智弁和歌山に勝ったのは初めてのこと。
「和歌山で一番意識していた特別な相手。市立和歌山に入学する時から、やっぱり『和歌山と言えば智弁』というイメージが大きかったので、その智弁に絶対勝つ、それは入学した時から目標にしていました」と笑顔で語った。
智弁和歌山主将「二度は負けません」
ただ、この時の智弁和歌山はエースの中西聖輝が登板していなかった。現在行われている和歌山秋季大会でも両者は勝ち上がり、10月3日の準決勝で、再び対戦する。和歌山は上位3チームが近畿大会に出場できるため、準決勝に勝利した時点で近畿大会出場が決まる。
小園と松川のバッテリーが目標に掲げる“日本一”をかなえる上で、今後、幾度も立ちはだかるであろう智弁和歌山との第2ラウンド。
智弁和歌山主将の石平創士は「やり返します。二度は負けません」と目をぎらつかせた。
伝統の強力打線が、どのように小園攻略をはかるのか。それに対し、さらにギアを上げるであろう小園はどんなピッチングを見せるのか。
互いに切磋琢磨することで、全国でもトップを狙えるレベルへと力を高めることができる。この1年は、和歌山のライバル対決から目が離せない。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。