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オカダ・カズチカは立ち上がれる? 飯伏幸太は「本当の神に」G1クライマックスA組は大混戦!
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2020/10/02 11:00
本命視されたオカダ・カズチカは6位に甘んじているが、ここから巻き返すことができるか
オマエは過去の人間、オレは現在と未来を進んでいる
6位とは言っても、オカダと首位との差は1勝分の勝ち点2だ。どうってことはないと見えるが、飯伏とホワイトに直接対決で負けていることが重くオカダにのしかかる。他力本願ではあるが、オカダが彼らに並ぶことは、数字上は可能だ。オカダが言うように、勝ち続けるしかない。だが、勝ち点で彼らに並ぶことはできても、すでに負けている2人を自分の力で越えて優勝決定戦に進むことはできないのだ。これが他力本願の切なさだ。
ホワイトはどうだろう。飯伏、鷹木信悟、オカダを倒して、勢いづいていた。昨年は3連敗からスタートして、優勝決定戦にコマを進めたのに、今年は逆に3連勝スタート。もう言いたい放題だった。
「オレの公式戦は常に勝つ方に賭けた方がいいぞ。『J1(ジェイ・ワン)』、このリーグは『G1』じゃない。オレのものだ。開幕戦から3連勝。これでわかっただろう。2年前の神戸でオレと外道がプロレス界をひっくり返し、プロレス史上もっとも衝撃的な瞬間を作った。新日本だけにとどまらず、プロレス界が丸ごと激変した。オカダ、オマエがいなければ、あの瞬間は生まれなかった。だから礼を言うよ。サンキュー。
でもオマエはもう過去の人間で、オレは現在と未来を進んでいる。記憶力が悪いオマエたちに、もう一度ここで思い出させてやる。オレはラスト・ロックンローラー、キングスイッチだ」(ホワイト)
新日本プロレスはオレたちバレットクラブのものだ
ホワイトとマネジャー役でブレーンの外道とのコネクションは強力だ。外道の存在がホワイトのピンチを何度救ったことだろう。
「外道には先を見越す力がある。オマエらファンの基準でオレたちを測るな。オマエらは黙っていろ。知った気になって語るな。オレはたった2年で3つのベルトを巻いてきた。またオカダを倒し、これでアイツとは3勝1敗だ。イブシとは2勝1敗。この結果に外道の天才ぶりが証明されているな。オレと外道を批判するな。オレたちは誰も追いつけないレベルにいる。最強だ。『J1』はオレたちのもの。新日本プロレスはオレたちバレットクラブのものだ。それが気に入らなくてもな」(ホワイト)
9月19日開幕の大阪から札幌を経て27日の神戸までずっと、こんな勢いだったホワイトも30日の後楽園ホールではオスプレイにフォールを奪われた。それでも、現時点ではAブロックの中心がホワイトであることに変わりはない。