プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
オカダ・カズチカは立ち上がれる? 飯伏幸太は「本当の神に」G1クライマックスA組は大混戦!
posted2020/10/02 11:00
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
新日本プロレスのG1クライマックス・Aブロックは9月30日の後楽園ホールまでに4試合ずつを消化して、飯伏幸太、ウィル・オスプレイ、鈴木みのる、タイチ、ジェイ・ホワイトの5人が首位を並走、本命視されていたオカダ・カズチカは6位に甘んじている。
オカダは大阪での開幕戦で飯伏に敗れ、神戸でもホワイトに負けた。高橋裕二郎とタイチには勝利したものの、崖っぷちの苦しい戦いを続けている。オカダの腰には痛々しくべったりとバンデージが張られている。
こんなんじゃまだ、ボロボロとは言えないよ
「オレはもう勝つことしかできないから。負けることができないんで。強いオカダ、格好いいオカダ、クソくらえってんだ、この野郎。これが今のオカダ・カズチカだから。別にこのままボロボロでG1を制そうなんて思ってないから。みんな知っているでしょう。オカダがどんなことがあっても立ち上がってきたのを。G1クライマックス、2回倒れたけど、何回でも立ち上がって、ボロボロのオカダ・カズチカだろうと。
でも、こんなんじゃ、まだまだ、ボロボロのオカダ・カズチカとは言えないよ。まだまだ。(タイチ戦は)とりあえずいい勝ち方ができたんじゃないかな、と。まあ、いいですよ。別にレインメーカーだけじゃないから。他にも格好いいところ、強いところ、たくさんあるから」(オカダ)
オカダは9月30日、後楽園ホールで2勝2敗の現状を開き直ったように語った。ラリアットこそ放ったが、勢いのある必殺のレインメーカーは依然として封印したままの状態で、オカダは戦い続ける。
タイチに勝利しても、リングから控室に戻る足取りはふらついて勝者のものではなかった。
「オカダはレインメーカー出さないの?」
オカダがホワイトに敗れた9月27日の神戸大会では、筆者の前の席に座っていた低学年であろう小学生が父親に尋ねた。
「オカダはレインメーカー出さないの?」
素朴な疑問に父親はこう答えた。
「最近は使わないんだ。今はあのコブラばっかりだな」
その小学生はその答えには納得がいっていないようだった。
オカダがいつまでレインメーカーの封印を続けるのかはまったく謎のままだ。