ツバメの観察日記BACK NUMBER
まさかの「メロン1万人プレゼント」! ヤクルト池山隆寛二軍監督と北海道・苫前町の幸せな関係
text by
長谷川晶一Shoichi Hasegawa
photograph byNaoya Sanuki
posted2020/09/25 08:00
現役時代はヤクルト一筋19年、304本塁打を記録した池山隆寛。今季5季ぶりにヤクルトに復帰、二軍監督に就任した
ヤクルトファンにメロンで恩返し
なるほど、見えてきた。留萌出身の若松さんと、その愛弟子・池山さんとの関係から、留萌と縁ができたことで、池山さんはコロナ禍の中で留萌の子どもたちに支援をした。そして、その善意に対して、留萌サイドが「恩返し」として、ヤクルトファンに名産であるメロンをプレゼントした。そんな流れなのだろう。実にいい話だ。
夕張メロンに負けない苫前メロン
「……えぇ、そうです。池山さんにはとてもよくしていただいています。私は建設資材の販売が本業なんですが、飲食部門も手がけていまして、東京・表参道で北海道の名産をご提供するカフェをやっているんです。そこに池山さんがよくいらっしゃっていたんです」
受話器の向こうで経緯を説明してくれているのは、今回のイベントの仲介役となった堀松産商・堀松克之社長だ。会社は北海道留萌市にあるという。
「すると、池山さんから“留萌の子どもたちに新型コロナの災禍から早く元気になってほしい”とお話があったんです。それで、私どもはあくまでも池山さんからマスクを預かった立場で、留萌振興局さんにお届けしたということなんです」
それが、今年の8月26日のことだった。マスクを送られた留萌市サイドも「心のこもった贈り物をいただいた。運動を楽しむ(管内の)多くの子どもたちに届けたい」(宇野稔弘局長)と感激を隠せなかったという。地元紙の『日刊留萌』(8月29日付)によれば「スポーツマスク2400枚(185万円相当)」の心のこもったプレゼントだった。
「それで、池山さんのご厚意を受けて、留萌としても何か恩返しをしたいとお考えになったんです。苫前町の名産としてメロンがあります。でも、《北海道メロン》と聞くと、多くの人は夕張メロン、富良野メロンを思い浮かべると思います。そこで、苫前メロンのPRも兼ねて、ヤクルトファンのみなさまにプレゼントしようと考えられたんです」