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レアル・マドリーのジネディーヌ・ジダンにつきまとう“4つの問題” 「敗北を受け入れるのが監督の仕事だ」
text by
ザビエ・バレXavier Barret
photograph byMutsu Kawamori
posted2021/05/05 17:00
マドリ―を率いるジネディーヌ・ジダンには、4つの《しかし》がつきまとう
「責任を認めて敗北を受け入れるのが監督の仕事だ」
「私には選手と監督あわせて18年のロッカールームの経験がある。私に限ってそこは問題にならない」とジダンは断言する。
硬直化回避のためジダンは、グループ全体で戦うよう常日頃から配慮している。特に'16- '17シーズンなどは、24人全員での戦いを進めた。ローテーションは徹底しており、試合ごとにスタメンが9人入れ替わることすらあった。昨季も総勢26人をフル活用して優勝を勝ち取った。今季はそのやり方をさらに徹底していくだろう。
「試合が思い通りにいかなくとも、強い気持ちを喚起する刺激が私には必要だ」とジダンはいう。
「決してマゾではないよ。でも監督には結果に対する責任がある。責任を認めて敗北を受け入れるのが監督の仕事だ。選手時代と同じことを今もしているのさ。つまり、自分の責任を負うことだ」
マドリーでの彼の地位は、全ての攻撃を跳ね返せるほど盤石というわけではない。
「私は監督としてキャリアを築いていかねばならない。選手として成功したからここで保護されているわけではないのだから」
謙虚な姿勢は変わらない。
《しかし》を振り払うための孤独な戦いが、今シーズンも始まる。
ジネディーヌ・ジダンZinedine Zidane
1972年6月23日、フランス生まれ。カンヌ、ユベントス、レアル・マドリーなどでプレー。'98年W杯優勝。'06年現役引退。'16年レアル・マドリー監督に就任するとCL3連覇を達成。'18年退任するが翌年監督復帰し、昨季リーガ制覇。監督としてのタイトル数は11に及ぶ。