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「知らない選手ばっかり」ベテランも困惑した再開初戦、男子ゴルフ界は番狂わせのチャンス
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2020/09/11 08:00
再開初戦を21位タイで終えた石川遼。試合後には念入りにスイングを確認するなど、新顔たちとの差を感じさせる場面も
居残り練習の大半は常連選手
ただひとつ言えば、見慣れた光景が広がっていた場所があった。
朝のスタート前、新顔選手たちが打撃練習場の半数以上を占めていたのに対し、ラウンド後に居残り練習をしていた大半が、常連選手だった。
例によって、スイングに悩める石川遼は新コーチとのセッションを続け、池田勇太は「アイアンが曲がっている気がする」とクラブ調整にいそしんでいた。52歳の谷口徹が若手をいじりながらクラブを振り、谷原秀人は汗でびしょびしょ。右目の病(中心性漿液性脈絡網膜症という網膜剥離の一種)から2年ぶりに復帰したばかりの高山忠洋、10月に米ツアーに戻る小平智、ひと通りのインタビューなどを終えた時松ほか、有名選手が続々と足を運んできた。
黙々と打ち込むアマ金谷
昨年ツアーで優勝したアマチュアの金谷拓実もまた、朝から晩まで打ちまくっていた。スタートの1時間半前にはドライビングレンジに現れ、各選手に「おはようございます」と頭を下げてから打席へ。輩出プロの多い名門ゴルフ部出身というのもいちいち大変である。ホールアウト後も黙々と打ち込み「試合期間は結構、(自分は)他の選手に比べたら練習するかなと思います。やっぱり、自信を持って臨みたいんで」と平然と口にした。
そこで言うと、先に述べたフィールド構成の割に、下剋上を期す選手たちの姿が少なかったように感じられた。下部ツアー会場でのように人工芝マットからのショットを強いられたり、球数を制限されたりすることもない。レギュラーツアーの練習環境を満喫した新顔選手たちはどれほどいただろうか。
ある意味でウイルスを“味方”にした、ツアーのポジティブな新陳代謝を期待したいのだが。
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