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「知らない選手ばっかり」ベテランも困惑した再開初戦、男子ゴルフ界は番狂わせのチャンス 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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posted2020/09/11 08:00

「知らない選手ばっかり」ベテランも困惑した再開初戦、男子ゴルフ界は番狂わせのチャンス<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

再開初戦を21位タイで終えた石川遼。試合後には念入りにスイングを確認するなど、新顔たちとの差を感じさせる場面も

37歳元球児の永松、憧れの丸山を見て

 ギャラリーのいないコースに日本語だけが響く会場で、このチャンスを活かさんとばかりに、上位でプレーした下部ツアー戦士もいた。

 2日目を終えて首位タイにいた永松宏之は、元大学球児という経歴の37歳で、長らく下部ツアーを主戦場としている。九産大時代の2004年、テレビで観た全米オープンで4位に入った丸山茂樹に触発されてプロゴルファーを目指した。

「寮の1階のキャプテンの部屋に集まって4、5人で寝っ転がって観ました。グリーン奥からのチップインを覚えています」

 実はこの試合、丸山は週末にテレビ解説のため富士桜CCを訪れていた。永松は3日目にクラブハウス前、数十メートル先にその姿を見つけたが、「まだ話しかけられる立場にない。スポットでレギュラーに出たくらいじゃ時期尚早です」と挨拶は遠慮した。

「でも、いつかタイミングがあれば(丸山の)ボールとか手袋とかを頂けたら飾りたい。ポケットから出てきた“ハイチュウ”でもいい(笑)」

 “ここで戦いたい”というモチベーションはさまざまである。

外国人不在、無観客は番狂わせのチャンス。

 高校時代は近所の練習場で独学でゴルフに取り組んだ45歳の海老根文博、ゴルフショップでの勤務経験もある38歳の内藤寛太郎も決勝ラウンドで上位に顔を出した。最後は星野陸也が堀川未来夢との20代同士のプレーオフを制した再開戦は、年齢的には中堅以上のプロのエピソードもちりばめられた。

 そう長くは続かない(はずの)外国人の実力者が少ないフィールドは、コロナ禍に乗じた番狂わせのチャンスでもある。無観客の試合はむしろ、下部ツアー選手のほうが慣れているかもしれない。「知らない選手ばっかり」の新鮮な景色には、次のスター誕生への楽しみもわく。

【次ページ】 居残り練習の大半は常連選手

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