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羽生結弦、GPシリーズ欠場に寄せたメッセージ。ライター松原孝臣はこう読み解いた。
posted2020/09/06 11:40
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Asami Enomoto
8月28日、日本スケート連盟は、フィギュアスケートの羽生結弦が今シーズンのグランプリシリーズ(以下、GP)を欠場すると発表した。
話の前提として、国際スケート連盟は、各大会に参加する選手の基準等は通常とは異なる形式になると発表していたものの、世界6都市で行うGPと中国・北京でのGPファイナルを実施することを発表していた。
その可否については新型コロナの感染防止の観点から心配の声も上がっていた。
その中での欠場の発表だった。
「可能な限り慎重に行動したいと考えています」
羽生はコメントを寄せている。
その前半から半ばで、大きく2つの理由をあげている。
「新型コロナウイルスと気管支喘息の関係性については、まだ確証となるものはなく、情報も十分ではないので判断が難しいところですが、呼吸器系基礎疾患を有する者が新型コロナウイルスに罹患した場合、重症化し易いとの情報もあるので、可能な限り慎重に行動したいと考えています。
また、気管支喘息に関係なく、一部の選手が新型コロナウイルスに罹患した後、後遺症によって選手活動が困難になってしまっている点からも、慎重に行動を検討する必要性があると思っております。
現段階で、カナダ在住のオーサーコーチが日本での試合に帯同するために来日することが困難であることが予想されます。一方、私が日本からカナダの試合に出場する場合は、カナダ入国後2週間の自己隔離が必要となります。その期間、練習など一切のスケートの活動ができないため、選手にとって万全の状態で試合に臨むことができません」