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鍵山優真、佐藤駿、友野一希、4回転バトルと「ガンバー」の“熱情”の関係
posted2020/09/20 17:00
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Dreams on ICE 2020
フィギュアスケートの2020-21シーズン前哨戦ともいえる「Dreams on Ice 2020 Go for Tomorrow」が9月12、13日に開催された。
トップスケーターたちは、試合形式のアイスショーで今季の初演技を披露。なかでも注目が集まったのは、鍵山優真、佐藤駿、友野一希の3人が火花を飛ばしあった4回転バトルだった。
3人とも牽制しあうような様子で
3人は、間違いなく来季に五輪切符を争うライバル同士。今季のうちにどこまで4回転を身に付けられるか、そしてアピールできるかが重要になる。
まず12日のショートは、久しぶりの試合形式とあって、3人とも牽制しあうような様子で6分間練習が始まった。
今回はコロナウイルス対策のため、コーチもリンクサイドに立てず、選手は自分ひとりで調子を確かめなければならない。
鍵山は、ちらちらと佐藤のジャンプを見ながら、それを振り払うかのようにアクセルを跳んだが1回転半に。深呼吸をして再び挑戦し、トリプルアクセルと4回転サルコウを降りた。
するとそれを見ていた佐藤がすこし跳び急いで、4回転が2回転に。その横を、自分に集中しきっている友野がサーッと通り抜け、4回転トウループを決めた。
16歳の佐藤と17歳の鍵山は、ともに今季シニアデビューを迎える。しかも佐藤は昨季のジュニアGPファイナル覇者で、鍵山は四大陸選手権銅メダリスト。否が応でもお互いを意識する。一方の友野は22歳で、今大会では最年長のお兄さん。自分に集中する術では、一枚上手と見えた。