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Bリーグでの活躍を支える
富樫勇樹のポジティブ力。 

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

PROFILE

photograph byKiichi Matsumoto

posted2020/09/09 11:00

Bリーグでの活躍を支える富樫勇樹のポジティブ力。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

悩むことはない、人に相談もしない。

 もちろん、うまくいかない時はあります。ただ、その状態があまり長い期間続くことはないので、スランプも感じたことはないですし、悩んだり、ストレスを抱えたり、何かにこだわったり、信念とかもありません。

 例えば練習もそう。オフシーズンは自分でトレーニングしなくてはいけないことが多いのですが、練習前は5セットやると決めても、4セット目できつくなるとやめちゃうことがあって。何かを貫き通すタイプでもないんですよね。そんな自分の性格を知っているので、ここ数年は、必ずトレーナーさんとか、自分を押してくれる人と一緒に練習することにしています。

 そんな僕の唯一いいところをあげるとしたら、やっぱり「ポジティブ」だということ。

 悩むこともないので、人に相談もしません。大学には進まず、日本に戻ってくるという決断ですら、誰にも相談しませんでしたから。だって、聞いたところで解決できないような話ってたくさんあると思うんです。もしかしたらアドバイスにはなるかもしれないけれど……結局何を選んでも、自分が選んだことだったら自分が責任を持てるじゃないですか。だったら人に相談する必要はないかなって。

 だから相談を受けるとびっくりします。そんなことを人に相談するんだ、そこで悩むんだって、すごく新鮮。そういうことで悩んだことないなって気付くぐらいなので、やっぱりポジティブなんでしょうね。

 結局、本当に人生1回きり、と思っているからじゃないでしょうか。1回しかないから、楽しみたいし、そう思えばなんだってできる。だから、バスケットボールはもちろん、他のことでも色々と挑戦して、楽しんでいきたいと思っています。

富樫勇樹

富樫 勇樹Yuki Togashi

1993年7月30日、新潟県生まれ。アメリカの高校を卒業後、bjリーグ・秋田ノーザンハピネッツに加入。2014年はサマーリーグを経て、日本人2人目となるNBA選手契約をダラス・マーベリックスと締結後、下部組織のテキサス・レジェンズでプレーした。2015年にNBL・千葉ジェッツに加入。2016年のBリーグ初年度からチームの司令塔として活躍、同シーズンから3年連続でチームのタイトル獲得に貢献。昨年にはBリーグ日本出身選手初の1億円プレーヤーとなり注目を集めた。バスケットボール日本代表。

ナビゲーターの俳優・田辺誠一さんがアスリートの「美学」を10の質問で紐解き、そこから浮かび上がる“人生のヒント”と皆さんの「あした」をつなぎます。スポーツ総合誌「Number」も企画協力。

第124回:富樫勇樹(バスケットボール)

9月11日(金) 22:00~22:24

バスケットボール日本代表・富樫勇樹選手はBリーグの千葉ジェッツに所属し、司令塔としてチームの3年連続タイトル獲得に貢献。昨年にはBリーグ日本出身選手初の1億円プレーヤーとなりました。チームのユニフォームは赤色ですが普段は黒色を好み、朝より夜の方が好きで明るい光や白い光もあまり浴びたくないとのこと。スポットライトを浴び続ける彼が暗い色を好む理由とは? 番組ではハンモックに宙づりになって行なうエアリアルヨガで疲れを癒す姿にも密着し、富樫選手の素顔に迫ります。

第125回:荒木絵里香(バレーボール)

9月18日(金) 22:00~22:24

バレーボール日本代表・荒木絵里香選手は2008年の北京から3大会連続でオリンピックに出場。2012年のロンドン大会では、日本女子28年ぶりとなるメダル獲得に大きく貢献しました。プライベートでは2013年に結婚し、翌年に出産。練習や試合に加え、育児もこなす忙しい毎日が続きます。本当はこの夏を最後に引退することを決めていました。そんな中で決まった東京オリンピックの延期。とても前向きに捉えることはできなかったとリアルな胸中を明かします。葛藤の日々の中、全てを受け入れて前に進み続ける彼女の美学を紐解きます。

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