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ポスト秋山翔吾を狙うライオンズの“1番”候補。22歳鈴木将平「なんとか食らいついていきたい」
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2020/09/03 11:30
プロ4年目の22歳。快足を生かした広い守備範囲と優れたバットコントロールで1番定着を目指す。
秋山からも感じた鈴木への期待。
自主トレーニングに限らず、キャンプ中も秋山とともに打撃練習に励んだ。まだ一軍に定着していない鈴木に、秋山自ら声をかけてマシン打撃に向かう。そんな異例の風景には、秋山の、鈴木に対する期待の大きさが現れていた。
今シーズン、鈴木が初めて1番打者として試合に出たときには「ヒットが出てよかったな」と連絡をくれたと語る。
「こちらからはあまり連絡していないですね。環境が変わって、しかもこのような状況なので秋山さん、すごく大変だと思うので……」(鈴木)
海の向こうで奮闘する先輩には心の中で声援を送っている。
「修正できないまま進んでしまった」
開幕前に1番にと期待されていたのは新外国籍選手のスパンジェンバーグだったが、思わぬ不振もあり、鈴木は1番打者として出場する機会を得た。6月27日に初めて1番で起用されたあと、30日まではスタメンに名前を連ねたが、その後は相手投手との相性などもあり常時出場とはいかなかった。金子侑司が故障で戦線離脱したあとはセンターを守り、好プレーを連発し存在感をアピールしたが、徐々に打率を落とす。
「最初は自分のプレーをするということに集中していて、自分のやりたいことができていたし、自分が活躍することがチームにとってプラスにもなっていました。それが、ちょっとバッティングの感覚がずれてきて、修正ができないままシーズンが進んでしまいました。
自分が相手に対応できなかったのが一番の理由です。初球から思い切り打っていく以外の手段がまだなかった。自分のようなタイプの打者に、ピッチャーはフォアボールを出さない。でもチームの状態があまりよくないときには、フォアボールを選ぶことも大事。そんなことをあれこれ考えるようになって、うまくいかなくなってしまいました」