ツバメの観察日記BACK NUMBER
村上宗隆、躍進の裏に筒香モデル。
20歳の4番が目指す岡本和真超え。
posted2020/08/27 11:50
text by
長谷川晶一Shoichi Hasegawa
photograph by
KYODO
新型コロナウイルス騒動により、当初の予定日から大幅に開幕が延期されることとなった2020年シーズン。いまだ開幕日が決まらぬ今年の春先、ヤクルト・村上宗隆にインタビューをした。
リモート取材ではなく、神宮球場クラブハウスで本人を前にしての取材だった。その後のコロナ禍を考えると、幸運にもギリギリのタイミングでの対面取材となった。
指定された部屋に村上が現れた瞬間、(さらに大きくなったな……)と感じた。
元々、恵まれた体躯を誇っていたが、オフの期間の自主トレ、秋と春の2度のキャンプを経て、村上はひと回り大きくなっていた。この少し前に20歳になったばかりだったが、そのたたずまいはすでに、堂々たる威圧感を兼ね備えていた。
「別にプレッシャーを感じることはない」
インタビューでは、開幕延期におけるメンタルとフィジカルの調整法に始まり、昨年の大活躍を経ての今季の抱負などを尋ねた。
こうした質問に対して、「2月のキャンプ中に故障したけど、開幕が延期されたので焦ることなく順調な調整ができている」と言い、新人王を獲得して迎える今季に対しても、「別にプレッシャーを感じることはない」と平然と言い切った。
このとき彼は、こんな言葉を口にしている。
「別にプレッシャーを感じることもないし、特に余裕を感じることもないので、今までと変わりはないです。ただ、昨年の成績に関しては、すべての面において“もっとやれたんじゃないのか、もっとやれるんじゃないのか”という思いは強く持っています」
プロ2年目となる昨シーズン、村上は全143試合に出場して、36本塁打、96打点という見事な成績で新人王に輝いた。
しかし、12球団ワーストとなる184三振、規定打席到達者ではワーストの打率.231という成績も記録している。昨年の成績に対しては「満足感」よりも、「反省点」が勝っているのだということがよく伝わってくる発言だった。