ツバメの観察日記BACK NUMBER
村上宗隆、躍進の裏に筒香モデル。
20歳の4番が目指す岡本和真超え。
text by
長谷川晶一Shoichi Hasegawa
photograph byKYODO
posted2020/08/27 11:50
7月2日の広島戦でサヨナラ満塁本塁打を放ち、ガッツポーズを見せる村上。
高津監督の求めるレベルは高い。
今から思えば、春先のインタビューにおいて、村上は何度も「プレッシャーはない」と繰り返し、同時に「この目標は実現不可能ではない」と口にしていた。このときは、自分に言い聞かせている発言のように感じられた。
しかし、村上は本当にプレッシャーを感じることもなく、本気で「打率3割、30本塁打、100打点も実現可能だ」と考えていたのではないか? だからこそ、あれだけ威風堂々とした発言を残せたのではないか?
高津監督の求めるレベルは高い。
「プロ2年目として、昨年は昨年でよく頑張った。けれども、今年は今年」と厳しい言葉を投げかけ、「4番としてはまだまだ物足りない」と、さらなる高みを求めている。
その期待に応えるべく、村上は野球専門誌のインタビューにおいて、「4番打者はチームの勝敗を左右する存在」と語っている。
4時間49分の激闘となった6月19日の開幕戦では、一打サヨナラという二死満塁の場面で三振を喫してチームは敗れた。その一方で、7月2日の対広島戦では見事なサヨナラ満塁ホームランでチームに勝利をもたらした。
まさに「チームの勝敗を左右する存在」として、村上は他球団の4番に負けない存在感を発揮している。
悲願の「打率3割、30本塁打、100打点」へ向けて、村上のバットは今日も力強く一閃する――。